深淵探求さんのレビュー一覧

購入前から本作の名声は聞いていました。だけど聞く限りだとストーリーが中途半端なところがあるとか、小規模チームが作ったからこその弱点が目立つ作品だという微妙な評価ばかりだったので正直余り期待はしていなかった作品です。でも蓋を開けてみたら、なんと! 「これは傑作だ!」と世に向けて叫べるほどの傑作です。ストーリーも、イラストも、システムも、個人的には文句を言えるところがありませんでした。ストーリーが中途半端だという評価はプレーが終わった後、一人で脳内リプレーしてみてやっと気づくようなもので、プレーする最中は華麗な演出のお陰で全く気になりませんでした。

続編が企画されていたと聞きましたけど、未だに出てないってことはボツになったんでしょうかね? もしまだプロジェクトが生きているのなら早く完成して出して欲しいです。

僕は基本的に男子向けのASMRは余り聴かない方なんですが、何故かと言うと男性向けのASMRだと何故かリアル感がさっぱり感じられなかったからです。女性向けのASMRは大体攻める側である男がヒロインに対して色々弄ってくる感じなのでリアルとは言わずとも完全に現実からかけ離れている訳ではないって感じなんですが、男性向けだと攻められる側の女の子がしゃべる方だからか、余り饒舌になっているところを見るとどうも不自然にしか感じられなかったんですよね。

でもこの作品は例外です。リアル感を追求したってことがはっきり分かるほど声優さんの演技も他のASMRのようにペラペラって感じではなく、時々発音をわざと崩しているんです。それとキャラ作りもしっかりできていて、普通一般的に思う裏垢女子のイメージにぴったりはまっています。それと主人公の陰キャだけど「いいね」欲しさで暴走する姿が実に牝豚って感じでエロ可愛かったですね。実に世間体を気にせずただ男に認められたくて媚びまくるダメ女の典型です。現実では男が快楽に溺れて没落する話はよく聞けるんですが、女が同じ形で没落する話は統計的には確かに存在しているのに余り回らない分、このASMRは女がどんな風にセックスでダメになっていくのかを想像するには良いコンテンツなんじゃないでしょうか。

お勧めします。

今まで製作者さんが出したパッチの中ではかなり普通の内容なのではないかなと思います。決して悪い訳ではないですが、ボリュームとか、キャラ作りの深みとか色々と普通です。新キャラの二人の外見はかなり魅力的なのに、キャラ作りが余りできてなくて個人的には残念なところがありましたね。ハートの女王が思ったよりも遥かに弱かったのも意外でした。一応女王なんだからもっと強かった方がよかったのでは、と思います。

本体をプレイする時に最初から設置されている地下室を見てこう思ったのは僕だけではないはずです。「最後までプレイしてもあの地下室の使い道が見つからない…なんかありそうなのに何もないなんてどういうことだ?」って。このDLCはその地下室の謎のみならずあらゆる面で本体を完全なものにしてくれるDLCです。正直まだまだ色々要素を追加しようと思えば追加できそうなポテンシャルの高いゲームなのですが、本体の色んな要素を文字通り完全なものにしてくれたので、個人的には充分満足です。

これほど高いクオリティーをデビュー作で出した製作者さんの次の作品が楽しみです!

ストーリーもゲーム性もキャラ作りも素晴らしい限りの作品です。 まだ最後までプレイした訳ではないんですが、十分すぎるほど楽しんでいます。 システムの作りはマニュアルを一度読まないと分かりにくい仕組みになっていますが、一度慣れてしまえばそれからは結構簡単です。多分このシステムを下手に作り直したら失望されるのではないかと思ってアリスソフトがリメイクを戸惑っているのではないかと思います。でも、個人的に僕はシステムよりストーリーとキャラ作りを優先する方で、本作の物語はかなり面白いものでした。 恋愛話とかではなく政治の話がメインなのが本当によかったです。こういう物語はかなり稀な方ですから。露骨に設定に日本とアメリカの世界大戦後の関係を取り入れていますから必然と言えば必然ですけどね。

特にキャラ作りに関しては、大体こういうゲームの場合、男性キャラクターのキャラ作りが薄い傾向がありますが、本作では逆に女性キャラクターのキャラ作りが薄く、男性キャラクターのキャラ作りが充実している傾向があります。そのせいか物語の流れも感情的な要素が少なく、徹底的にそれぞれの野望や志のために動く人物が多いです。まさに自分好みの展開で、色々と考えさせてくれる作品でした。時々主人公が話す現実主義的な言葉が特によかったです。確かに悪人なのに一応言っていることは筋が通っていて読むのが楽しいセリフばかりでした。男性メインの男性向けのエロゲーはそれだけで希少だというのに、脚本にものすごく力を入れていたのが感じられて素晴らしかったです。

色々語彙力が足りなくて困るほど、この作品は類稀な傑作だと思います。 ぜひプレイしてみてください。

システムが謎過ぎます。 何でこんな風にシステムを作ったのか訳が分かりません。 キャラクターたちとストーリーは良いのに、システムが鑑賞の邪魔になっていると感じました。 もしリメイクするのなら、ぜひこのシステムだけはやめて欲しいところです。

ストーリ的にはランスの鬼畜っぷりがかなり強調されています。 ランス03ではかなり度胸のある凄腕の戦術家っぽいところが出ましたけど、本作ではそういう国レベルでの大事件がない分、ランスの鬼畜っぷりがどう考えても正当化できないレベルで出ています。 ランスの鬼畜っぷりを見ると、もし現実に法律がないとこんな奴が暴れまわったりするのかと思い、法律の大切さを実感せざるを得なくなりました。

キャラクター的には新キャラのリズナとコパンドンの性格が真逆でかなり面白かったです。リズナは文字通り箱入り娘って感じで騙されやすい性格ですが、コパンドンの場合、自分の欲のために良い男を自分のものにしようとする欲張り屋さんです。それぞれの理由で男を必要としますが、その性格の違いから良い女と悪い女に分けられるのがはっきり分かって面白かったですね。

法律がなかった場合、男女の関係はどういう形を持つのだろうかと色々と考えさせてくれる作品でした。でもこういうシステムはマジで勘弁してほしいです。

僕は本作をプレイする前にランス01しかプレイしていないんですが、ランス01とは比べ物にならないほど、本作はランスというキャラクターがどういうキャラクターなのかを色んな角度から見せてくれます。周りの人物の数も物凄く増えていて、彼らの視点からはランスがどういう人物に見えるのかも見せてくれます。なので、ランスを知り始めたばかりの人たちにとっては、ランスをより深く理解するには欠かせない作品だと思います。

ストーリー的にもランス01より遥かに深みがあり、話のスケールが大きくなったことに連れて色々なキャラクターが登場するんですが、割と男性キャラクターの比率が高くて、その新しい男性キャラクターたちもそれぞれ個性が強いです。ランス01では主に女性キャラクターたちの視点から見たランスが描かれましたが、本作では男性キャラクターたちの視点から見たランスという人物像もちゃんと描かれていて面白いです。特に戦時の話だからか、軍人キャラクターが多いので、軍略的にランスという人物を値踏みするところが見物でした。個人的に重度の女好きだけどただの女好きではないランスの一面にちゃんとスポットライトが当てられて興味深かったです。

本作に少し問題点があるとすると、ストーリーが結構長いのにそのストーリーをただただ追う以外にはできることが何もないというところですね。ランス01の場合、できるだけ敵を避けてガンガン進めることもできたんですが、本作ではレベルアップを怠ると必ず後で痛い目に合う仕組みになっているのでランス01よりは作業感が強いです。ランス01が探索ゲームって感じなら、本作はガチで戦闘を中心とするRPGって感じですね。ただし、プレイできるキャラクターたちの性能は余りバランスが取れているとは言えないので、早めに主力メンバーを見極めて育成した方が楽に進めます。育成するメンバーを間違えたら相当苦労を強いられるのでご注意を。

僕は「イブニクル」を購入するかどうかを決めるために外典を先に購入したのですが、ランスのような主人公を期待していたせいか少しがっかりでした。だけど本編のキャラ作りが好きだった人たちにはかなり嬉しい内容とボリュームになっています。主人公が余り好きではなかった僕も、本作のボリュームには驚くばかりでした。「イブニクル」のファンになら嬉しい外典だと思います。

ランスシリーズの名声は前から聞いていたので、割引期間中に買わせていただきました。結論から言うとシナリオの方面ではがっかりでしたね。主人公であるランスのいい加減な性格のせいか、シナリオの展開は余りにも運に頼っていてご都合主義なストーリーだと言う印象が非常に強かったです。ランスシリーズの名声を聞く限りシナリオの方面でも優秀だと言う話だったので、結構がっかりでした。多分シリーズの初めての作品だからなんでしょうか?

でも、確かに名作だという評判通り、登場人物それぞれのキャラ作りはしっかりしていて、斬新な人物たちが完成していると思います。少なくとも今まで僕がプレイしてきたゲームの中だと本作のように個性的なキャラクターが男女問わず次々と出てくる作品は他になかったですね。エロゲの女性キャラクターたちが可愛くて魅力的なのは当然ですが、本作のようにそれぞれの性格が言動にちゃんと表現できている作品は他に見たことがないです。もちろん、一番個性的なのは主人公のランスです。

本作をプレイする前に聞いた話だと、ランスは性欲のために生きる獣みたいなキャラクターだと聞いていたんですが、意外と律儀なところもあるし、結構頭も回る賢いところもあるキャラクターでした。もちろん、そういう立派なところの特徴を全て可愛い女の子を押し倒すことのために使うというのがダメなところですが、それでもちゃんと法律を守りながら自分の欲情を求めるところが、ある意味現実的に良い男性像を描いていると思います。いくらハメ倒したいと思う相手でも本気で嫌われるような真似はしないし、女子の立場から見ればむしろ「そこまで私が欲しいの?!」って思うくらいにちょうど良いレベルのアピールくらいしかしませんので、女子としてもこうやって求めてくれる男子にはむしろ心を開きやすいんじゃないでしょうか。

結構楽しめたので、他のランスシリーズの作品も試してみるつもりです。

多くの女子が理想として取り上げる「悪い男」を見事に具現化した作品だと思います。「悪い男」が好きだと言う女子が自分すらも分かってない「ちょうど良いレベルの悪さ」をしっかり表現できていて、かなり多くの女子のハートを射抜いているんじゃないでしょうか。ストーリー的にもちゃんと作り込まれていてただのASMRだと思って聞いているといつの間にかストーリーと人物関係に集中してしまう作品です。