むかし、むかし。とある山奥に一つの村がありました。
その村は山の神を信仰し、村人たちは山の神の使いである四つの獣を
大切に祀っていました。
やがて村の中で、それぞれの神使を信仰し祀る四つの一族が生まれたのです。
鹿を祀る、粕賀(かすが)家
狐を祀る、稲成(いなり)家
蛇を祀る、衣吹(いぶき)家
鴉を祀る、隈野(くまの)家
この四つの一族は互いに協力し、長く村を治めていました。
しかし、ある年のこと。村に大きな飢饉が起こったのです。
田畑は枯れ、山の草木も食い尽くし、飢餓に苦しんだ村人たちのため
神の使いである獣たちは、自らその身を捧げました。
神の使いの血肉を食した村人たちは、深く感謝し
それ以降、この村を神亡村(かみなきむら)と呼ぶようになったのでした。
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【神鹿の章】あらすじ
生まれてからずっと神亡村で暮らしている、あなた。
あなたには忘れられない大切な人がいる。その人は幼い頃に一緒に過ごした、いとこの粕賀凪。
凪はとある理由で村を離れていたが、十数年ぶりに神亡村に戻ってくるという。
それを聞いたあなたは、居てもたってもいられなくなり彼を迎えにいく。
一人の男性として成長した凪と再会したあなたの胸には、幼い頃の恋心とともに複雑な感情が渦巻いていた。
あなたと凪の初々しい恋と約束は、神亡村と粕賀家の真相に翻弄されていく……。