いわゆる「メスガキ」に分類される系ヒロインがすっかりとネット社会のキツい単語に慣れ親しんでしまったおじさんに、言葉の言い換え・オブラートに包む大切さや、簡単なカテゴライズをせずに個人をしっかり見てほしいことを伝える印象の作品です。
最近はSNSの発達やリアルとネットの境界がほとんどなくなって地続きになっていることもあって、「心に余裕がないんだなあ」と感じる一言を見聞きすることが増えたように感じます。
また逆に、ネットで親しみ過ぎてよく考えると酷い一言を発してしまったことは私自身にも覚えがあることですし、そんな体験がある方も少なからずいるのではないかな、と。
このヒロインの言葉が刺さった方もいらっしゃるのではないかなと思います。
手早く伝えることを優先しがちだったり怒りで頭に血が上ったときなど、ちょっとひと呼吸置いてこのヒロインの言葉に耳を傾けてみてもいいかもしれません。
内容は私のレビュー文章よりも柔らかくコメディ調で、全く説教くさくないです。
少ないながらもオタクネタも入っています。このサークルさんの他作品で麻痺しているだけかもしれません。
ヒロインはおじさんの中身をしっかり見た上で好印象を持ち積極的に関わっているのですが、関係性が進展しないことに焦れている模様。
でも積極的ながらも割と純愛志向だよなあ…と感じるのですが、おじさんはおじさんで「愛」という一言がこっ恥ずかしいのかもしれない。
「愛」ってもしかしたら若いからこそスルッと出てくる単語なのかもしれない。
だからこそ誤魔化したのかもしれず、そんな日々が続いていつの間にかヒロインがいわゆる「メスガキ」な時期・年月を格ゲー対戦で溶かして気付いたら彼女は大人になっているかもしれない。
そんな妄想もしてしまったいい作品でした。