広告から絵が気に入り気軽に購入しましたが、間違いなく買って損はない神作品です。
催眠エロと絵の可愛さに目が行きがちですが、漫画としてのレベルが高く読者が引き込まれるよう計算されています。
どんどん催眠に飲まれる際のトーンの濃淡、催眠中の瞳の表現、語られてない部分まで読者に想像させる台詞回しのうまさ、キャラクターの本質を表現している動きなど読めば読むほど「こういうことかー!」となる設定の緻密さとそれを漫画として惜しみなく表現できていることに感動すら覚えるほどです。
以下、作品の内容に触れますので完読してから拝見ください。
まず時岡の愛がすごい。第一声から「よりを戻したいのか」と言いますが、しまかが被せるように拒否するところから、時岡の未練タラタラ感と振られてる感じがすごい。時岡は基本言葉でも優しかったり嫉妬したりもわかりやすいですが、めちゃくちゃ頭を撫でたり細かなコマまで愛に溢れた表現ばかりで「お前めっちゃ元カノ好きじゃん…」と漫画中から伝わってきます。
しまかは真面目で天然系で控えめな子で、スポーティで露出の高い服を着てるのに違和感を感じてましたが、服装とかスリッパの色のセリフひとつで全てを理解してしまった。そんな自己否定され続けた彼女が切羽詰まって頼った相手に時岡を選んだことを始め、別れたけれど2人の関係は良好だったんだなあと節々に感じさせられる。
そんな2人が最終日になり、しまかの泣いても自己表現のできない言葉や、時岡の好きな子から言ってもらえないのにかき乱されてしまう苛立ちなどキャラのセリフ・行動が全て生づいているようなドラマを生み出しています。
後日談で大学時代のしまかが女性らしい服装であったこと、そしてまたブーツやふわふわ系の服に戻っていたこと、強めの「デートしてもらうぞ」のセリフと裏腹に楽しそうに催眠にかかってるフリをしている時岡。これ以上ない明るい未来を感じるラストでした。
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