SNSなどで、寝付くために何か聞きたいんだけど、耳かきやタッピングはなんか違うのよね、という話になることがあります。そういうときに、今後はこの作品を薦めたいと思います。
おやすみASMRという名の通り、寝息と、リップ音が中心。同室で穏やかに寝ている人がいる感覚があり、すっと入眠できます。
ストーリーは多様に解釈できる作り。どこかからやってきた狼獣人の青年と、私。結局この世界はどこなのか,ここにどうしているのかはわかりません。青年が眠れなくなった理由と過去は関係がありそうで、時々混乱したりしますが、襲われてピンチになることもありません。
でも、むしろそれが良かった。混乱する相手を落ち着かせたり、自分が落ち着かせてもらったり。支え合って、お互いを頼ってくっつき合って眠ろうという雰囲気がありました。
それに、空気感がすごく懐かしかったんですよ。例えば、子どもの頃大事にしていたぬいぐるみや、もう会えなくなってしまったペットが獣人になって、夢の中に出てきてくれた感覚です。
途中でイーラは、狼形に戻ります。そこでの演技に、大人でもなく子どもでもないかわいらしさと不安定さがあり、この方向でくるかと驚きました。「夢の中でしゃべれるようになったペットとじゃれてる」感じがあって、ほんとに良かったです。普段お父さん的な包容力のあるキャラや、二枚目半の悪役を得意とする加藤さんの声を「もふもふでかわいいなー」って思いながら聞く日が来るとは思いませんでしたよ。
目覚めると半分以上は忘れてるけど、良い夢見たなって気分になりました。
ゆったり、慈しまれたい方におすすめ。
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