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「【特典音声付き】死んだ旦那の弟と(上) CV.三橋渡 【繁体中文台本付属】」 へのレビュー

    • 2024年03月04日
      レビュアーオススメ!
      円盤で予約してあったのですが、気になりすぎて耐えられず配信版も上下巻で購入してしまいました。

      上巻は、長らく座敷牢に囚われていた弟:泰隆の解放から話が始まります。
      その理由は、当主である兄:清流の死によって弟が家督を継ぐこととなったため。
      泰隆さんが声を発したその時から、この作品全体に危うさが漂い始めます。
      そして、死んだ夫の前で始まる妻と弟の常軌を逸した行為を皮切りに、屋敷中で行われるおおよそまともとは思えない淫らな行為の数々。
      ヒロインの心情があまり語られないこともあり、天涯孤独がゆえに夫の弟と再婚せざるを得なかった女と、兄への劣等感と女への執着心を募らせた男の関係をどう捉えればよいのかわからず、心許ない気持ちにさせられます。


      物語の随所で語られる、兄の話、兄への思い。

      兄さんが!兄さんの!兄さんに!

      泰隆さんの兄への鬱屈とした激情。
      愛した女の愛よりも憎しみを欲する心の軋み。
      この愛憎劇の根幹を成すのは兄と弟、各々の抑圧され歪められた感情ではないかと思いました。

      やがて物語はあの日の核心へと近づいていきます。あの日、兄に何があったのか、弟の言葉の何が引き金だったのか。
      弟の不可解な証言。
      「殺したのは」俺じゃない。では……誰が?

      そして残された女と弟。
      女は夫を愛していたのか、弟は執着心に囚われただけの男なのか。
      己の妻となった女に語った話は、すべて真実なのか。
      一人の女との出会いにより、すべてが変わってしまった二人の男。一つの名家を舞台に、行き場のない愛憎が渦巻く決して幸福ではない話。
      けれども、そこには確かに愛が存在し、悲しみと共に全てを包んでいました。

      この作品はぜひ、上巻下巻続けて聴いてほしいです。
      兄、弟、そして妻。三者の思惑が明らかになるのか、ならないのか。演者様方の怪演も相まって、とても心に爪痕を残すものでした。自分の心についた痕をなぞりながら、何度だって確かめに行きたくなる物語です。

      3人が役に立ったと答えています

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