白夜欲眠

梁昼和(りょう しゅうわ)

高校時代は正直で裏表のない性格で、権力のある家庭に生まれながらも、父の強権に抗おうとしていた。彼は自身の情報素(フェロモン)の匂いが原因で差別を受けてきたため、陸清允(りく せいいん)にも嫌われるのではないかと恐れ、密かに腺体を交換する計画を立てていた。しかし、催○による変故と父の支配によって、彼は冷たく硬い感情を持った人物へと変わってしまった。まるで仮面を被った人形のように、彼は「完璧で優秀な総裁の息子」という役割を演じながらも、不安や目的を持った接触を全て拒絶するようになった。
唯一、易感期(いかんき)に愛人の影響を受けた時だけ、彼は自身の脆くて真実の一面を見せることができた。その瞬間だけ、彼は冷たい仮面を外し、深く傷ついた心と、愛する人への想いを露わにした。彼の冷たさは、父の支配や過去の傷から身を守るための鎧であり、その奥にはまだ高校時代のあの正直で優しい青年が潜んでいた。
梁昼和の冷たさと距離感は、彼が長年にわたって抱えてきた孤独と苦悩の表れであり、その仮面の下には、愛する人への深い想いと、自分自身を取り戻したいという願いが隠されていた。

陸清允 / 沈倦(りく せいいん / しん けん)

一見すると冷ややかで距離感があり、多くのことに対して無関心そうに見える。しかし、実際には心が柔らかく、梁昼和(りょう しゅうわ)に対して深い愛情を抱いている。梁昼和が海外に行き、連絡が途絶えた長い年月の中でも、沈倦はかつての恋人を忘れることはなかった。梁家が政略結婚の話を出した時、彼は迷わずそれに飛び込み、たとえ自分にとって飛んで火に入る夏の虫のような行為だとしても覚悟を決めていた。傷つけられた後も、泣き叫んで騒ぎ立てることはせず、ただ静かに去り、穏やかに別れを選ぼうとした。しかし、梁昼和に対してだけは、彼はいつも心を鬼にすることができず、忘れ去られた真相を知った後も、ただただ彼を憐れむことしかできなかった。
彼の清冷さと無関心そうな外見は、深い傷と孤独を隠す仮面であり、その内側には梁昼和への変わらない愛と、彼を守りたいという思いが秘められている。