白面神官さんのレビュー一覧

かくして街に戻った主人公たちを出迎えたのは、大事の前の前哨戦とばかりの敵の大群襲来の知らせでございました。

せっかく古代遺跡という歴史的大発見の確認を果たしても、これではパーティどころか喜びの余韻に浸る暇もあったものではありません。

そんな中、これまでずーっと不在だった冒険者ギルド支部長と初めて顔を合わせることに。

どのような人物なのか気になりますね。

父に言われてお見舞いに来たはいいのでございますが、これまで経緯や状況のせいで警戒心をバリバリ抱かれてしまっており、とてもお見舞いとは思えないムードのシーンとなっております。

主人公からすれば、たった一日の付き合いでしかありませんでしたが、しっかり別れの花束まで用意しております。
そういう気遣いは苦手なタイプかと思いきや、なかなか意表を突かれました。

読者的にも本人的にもインパクトありまくりな展開の後、使用人のためにあかぎれの薬を作ってあげる主人公。

あの後で、ここまで平常心を保てるとは見上げたメンタルでございます。
それなりに危機感を抱いてはいますが。

主人公からすると、この世界の医療はかなり低い水準のようでございますが、薬のお値段の方は高いそうです。

そして前回の一件でか体調を崩してしまった家庭教師の先生のお見舞いに渋々ながらも行くことに・・・

既に桁外れにもほどがある力を見せたばかりの主人公の、更なる能力が判明するという・・・以上にこの手の作品全体で見てもまず類を見ないであろう衝撃的すぎる怪現象が発生する内容でございます。

なんと、どこかの元七〇海に切り取られたかのごとく、主人公の影が消えているのでございます。

日光に当たっても消えたりはしませんが、あまりに異常な事態にこれまでの経緯も相まってか家庭教師の先生が恐慌状態に陥り逃げ去ってしまいます。

流石にこればかりは仕方ありませんね。

プレゼントにあっさり承諾したことで俄然モチベーションが上がったドラゴンの助力により、実にあっさりと目的のお姫様は見つかりました。

主人公の掲げる『ドラゴンファースト』の成果とも言えますね。

護衛の兵士たちは手遅れでしたが、一番重要な人物さえ無事であれば依頼は達成したも同然。
ひとまず死体の回収を後回しにし、颯爽と帰路に着くのでありましたとさ。

前回ラストで持ち込まれたのはお姫様を探すという大仕事でございました。
この前の依頼が早速実を結んだ格好と言いましょうか。

ことが事だけに大博打なうえに責任重大ではございますが、成功させればとてつもない実績になるということで主人公は即決で引き受けます。

たっぷり睡眠をとったドラゴンに乗って現場に向かうと、彼女から実に彼女らしいプレゼントを要求されます。

購入した訳アリのドラゴンがとてつもない力を秘めていたことが判明する・・・というエピソードでございます。

ただ、これこそが眠気の原因ということなので乱発はできないようでございます。
ちなみに眠れさえすればそれでいいようで、眠る場所については全くこだわりがない模様でございます。

そんな中、次の依頼の話が舞い込みます。

今回は元婚約者視点でのお話となっております。
端的に言ってしまえば、ヒロインがそうであったように彼もまた愛してなどいなかった。
それだけの話でしかありませんでした。

ここまでの経緯を振り返れば、なまじ愛情を持っていない方が(ヒロインにとって)幸福だったという解釈もできますがね。

それはさておき、ヒロインは新しい仕入れ先の紹介を探す羽目に。

元婚約者の重大なやらかしについて抗議に行くヒロイン・・・というお話でございます。

相も変わらず・・・といいますか、まだ晒せるのかと思うレベルで醜態を晒し続ける元婚約者も元婚約者でございますが、元義母もヒロインに会うなり『自分たちは悪くない』というようなことを面と向かって言えるあたり血は争えないという言葉は真理なのだと思わされますね。

やらかしにやらかしを重ね続けてきた元婚約者についに制裁を加えるチャンスかと思いきや、ヒロイン自身の意思でそれは止められました。

ここまでされて『兄弟子だった』というだけの理由でそこまでするのかと思いきや、そこには深い理由がありました。

このくだりには心から感心させられました。

その実態はぜひお買いになって、ご自身の目でお確かめくださいませ。