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「わたしに勝てたら、すきにしていいよ」
おんなのこがちょっと大胆になって誘っちゃうショートストーリーです。
1. 『あの島まで』
「気づいてるよ、ふたりがわたしの胸とおしり、ちらちらみてるの」
ふたりの表情に驚きの色が浮かぶ。やがて和馬はちょっとばつが悪そうに視線をそらす。智也は臆面もなくにやにやしている。
「いやはや、バレてたか。やわらかそうだし、なかなかエロいぞ」
智也の遠慮ない言葉に、こんどは咲希が赤面する番だ。追いうちをかけるように、和馬も口を開く。
「…咲希も、そういうの気になる年頃なのか」
咲希はちいさくこくりとうなずく。それから周囲に人がいないことを確かめるようにもじもじと様子をうかがい、赤面しながらそっとささやいた。
「…わたしも、ふたりのからだ、きになる、、、かも」
やや遠慮がちだが挑発的な咲希の言葉に、ふたりはつばを飲む。
「ほー、じゃあさっそく」
智也はそういって咲希に歩み寄り、肩に手をかける。和馬も乗り遅れまいと立ち上がる。けれど、咲希はふたりの腕を振りほどいて、ちょっとイタズラっぽく提案する。
「じゃぁ、わたしより先にあの島までいけたら、ね」
2 『柔道の稽古』
「…ね、ここで稽古の続き、しない?」
彩夏はやわらかな若草の上でサンダルを脱ぎすてて、健太と遼を誘った。師範の都合で1時間足らずだった今日の柔道の稽古は、ふたりにとっても物足りなかったし、まだ昼前で時間をもてあましているのも確かだ。しかしいささか唐突な提案に、ふたりがすこし戸惑っているのを察して、彩夏は言葉を継ぐ。
「あたしに勝てたら、…すきにして、いいから」
彩夏は胴着の胸元をすこしはだけさせて、いたずらっぽく微笑む。そこには明らかに性的な意図があった。
「お、お前、シャツは…」
「へへ、汗かいたから、脱いじゃった」
彩夏の白く柔らかな肌と形のよい乳房が、目の粗い胴着の生地とじかに触れ合っている。ふたりの視線をじらすように、彩夏は胴着を正してはにかむ。
「勝てたら、ね」
3. 『鬼ごっこ』(予告編)
「わたしも、…その、まぜてもらいたいな」
彩音はやや伏目がちに、しかしはっきりとそう言った。菜々子と美海は少し驚いた様子を見せたが、すぐに美海がいつものイタズラ好きを発揮する。
「へー、彩音ちゃん、“こういうの”興味あるんだ」
彩音が赤面するのをみて、菜々子は美海のひじを軽くこづいてたしなめつつ、左手で軽くめがねのずれを直し、微笑んだ。
「歓迎です、メンバーが多いほうがきっと楽しいもの」
やがて3人の周りに4、5人の男子達が集まり始める。
「お、転校生ちゃんもやんの?」
「まじで、僕、初日からかわいいなぁって思ってたんだよね」
「お前それ美海が転校してきたときも言ってただろ」
「わるいね、俺はいんちょーちゃん一筋だから」
「また聞かれてないことを…」
ショートストーリー2本、予告編1本
合計1万字程度
挿絵5枚
テキストファイル+JPG版 と PDF版を
同梱