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金曜の夜、仕事も心もぼろぼろになって飛び込んだ高級ホテル。
フロントで名前を告げた瞬間から、「再会」は始まっていた——。
法人営業主任・瑠衣(30)。大型案件を上司に横取りされた夜、衝動的に予約した一泊だけの贅沢。チェックインした三十二階の部屋に届けられたのは、頼んでもいないホットミルク。
届けたのは、ダークネイビーのスーツに金の鍵の徽章を纏ったチーフコンシェルジュ——十五年前、都営団地の隣の部屋に住んでいた幼馴染の男の子だった。
「大人になったら、るいのことは俺が守る」
泣きながら交わした約束を、彼は一日も忘れていなかった。
ホットミルクも、部屋のアップグレードも、全部——「お客様」へのサービスではなく、「瑠衣さん」への想いだった。
完璧な敬語の奥に隠された剥き出しの感情。
触れるたびに丁寧で、丁寧なのに逃がしてくれない指先。
「お客様がお望みでしたら」と囁く低い声に、二十年間かけて積み上げた鎧が、音を立てて崩れていく。
「自分でやります」が口癖だった女が、初めて「甘えてもいい?」と零した夜。
敬語が崩れた瞬間の、あの声を——あなたも聴いてほしい。
「かしこまりました」の五文字が合図になる、一夜限りの溺愛劇。
雨の東京タワーを背景に、身体ごと蕩かされる朝までの物語を、どうぞ。
文字数はハート、濁点など込みで約12928字ほど。
ホテル / コンシェルジュ / 敬語 / おもてなし / 非日常 / スーツ / 敬語崩壊 / 溺愛 / 大人の恋愛 / ハッピーエンド
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