まず、本作品を楽しみにしてくださっている皆様、そして関わっている全ての皆様、本当にありがとうございます。

狼部族の性衝動・アイくんを演じるにあたり、狼という生き物の性格を調べました。狼という文字や、生き物を想像すると「怖そう」とか「狂暴そう」と感じる方が多いと思います。僕も調べる前は同感でした。なので荒々しいイメージで演じてしまうところでしたが、人間よりも愛情深く家族を守るとても素晴らしい生き物という事がわかり、時に優しく、時に雄々しく、人間だけれども、人とは違う一面が垣間見られるように気を付けながら演じました。

冒頭部分にある「似ているのに違うって、全く違うよりも怖い」という台詞が印象に残ってます。同じ人間同士でも、言っている事が伝わらない事態というのは、本当に恐怖でしかないと思います。これだけ文明や情報経路が発達し、言語の壁が徐々に低くなってきていますが、同じ人間同士で憎しみ合ったり、自分の意見が通らない＝嫌われたとか、考え方の違いでお互いを攻撃しあうのは悲しいことだと思います。おっと！暗くなってしまいましたね…。

この作品のお気に入りのシーンは、直接表現されているわけではないのですが、アイくんが頑張って言葉を学んでいるのがわかるところですね。自分では頭が良くないと思っているようなのですが、身体が大きくならなかった分、頑張って勉強したのがとてもよくわかります。他の仲間が力技で何とかするところを頭を使って工夫するところは、ある意味ズルいですけど、好きな人を何とか自分のものにしたいという気持ちは、とても可愛いと思います。

冒頭でもお話させていただきましたが、今回このような素敵な作品に出演することができたのは他でもないファンの皆様のおかげだと思っています。この作品を聴いていただき、今までの狼という生き物に対する偏見を取っ払っていただけたら幸いです。狼だけではなく、動物たちにも興味を持っていただき、事情が許される方ならぜひとも犬を…狼犬を飼っていただきたいです（笑）僕もいつかは飼えたらいいなぁ…なんて思っております。

生き物を飼うというのは「かわいいから」という気持ちだけでは難しいものです。新しい家族の一員をお迎えするには、責任も伴うものです。なので、この作品を聴いていただき実際に飼えないけどバーチャルで「狼飼っちゃったので責任とります！」な気分に浸って頂ければなと思います。長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。またいつかどこかで皆さんと素敵な物語の世界を共有できたら幸いです。