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ノエルは、主人公が公爵家で受けた扱いのことを全て知っていたようです。
世間話のように軽く話しているのが凄かったです。
笑いながら必殺の一撃を放ったようなものなので、怖いなって思いました。

これがきっかけとなったのか、ルシアンがユミラ夫人を説得していました。
こうなったら受け入れるしかないです。
それしか公爵家が生き残る道はないので。

ノエルの設定なら、主人公が伯爵家でどんな生活をしていたかも知っているはずです。
あそこで語らなかったのがちょっと気になっています。
まだその時期ではないと思ったのでしょうか?
なんとなく気になります。

ノエルは、自身のことを王妃の影に徹していると言っていました。
私も主人公と同じで、王妃が強烈過ぎて印象に残らないと思った訳です。
そんな印象はページを読み進めるうちに霧散していきました。
ルシアンと主人公が欲しい物を知っていて、それをプレゼントとして持ってきてくれたからです。
二人しか知らないことを知っていたので、地味なのに凄い人だなって思いました。

情報収集能力に秀でているってことなのでしょうか。
配下に忍者がいるような気もします。

ルシアンが今までのことを回想しているシーンがあります。
子供の頃から今にかけての変化を、少しずつ思い出しているって感じでした。

王家の血を引く者と結婚した影響か、父親は母親に頭が上がらない様子。
領地の経営を忙しそうにしていたのも、ユミラが怖いからのようにみえました。
父親の気を惹きたいと感じたのもわかります。
それしか方法がなかったので。

色々と考えていて偉いと感心しました。
と同時に、権力者の息子は大変だなって思いました。

マルグリットに恋をしたことで何かが変わっていくはずです。
その変化が両者にとって良い結果を生むことを期待しています。

ニコラスが感じていた違和感の正体は、ルシアンが抱いた嫉妬のことです。
主人公とニコラスが親しそうにすれば、ルシアンが不機嫌そうになります。
それでいて日常的な会話をすると、機嫌が元に戻る訳です。
面白いことになっているなって思いました。

最後の方でこの気持ちに気づいていました。
好きになったという現実を、受け入れるしかないのではないかと。
父親よりも母親を説得する方が苦戦する気がします。
欲しい物を手に入れるには頑張るしかないです。

ルシアンが主人公のことを見なくなりました。
見ようとすると、目が合った瞬間に顔を違う方へ向けるって感じです。

この変化を言葉に直すと恋になります。
気になって仕方がない気持ちが、好きに変わったのではないかと。
本人はまだ気づいていないみたいです。
母親の権限がかなり強いので、それも仕方がないかなって思いました。

主人公の方は、ルシアンの変化を完全に誤解しています。
嫌いになったのではなく、好きになったが正しいです。
主人公は恋心とは無縁な生活をしていました。
誰かが教えてくれるまで自覚できない気がします。

ルシアンの鶴の一声によって部屋の移動が行われました。
それにより、主人公の生活が一変したのでした。

主人公の目の前に、ドレス、靴、髪飾り、ブローチ、宝飾品、化粧道具、純白のシーツつきのベッドなどがあります。鏡台や戸棚、時計にティーセットなどもメイド達によって用意されました。
隣りはルシアンの部屋らしいです。
次期公爵夫人として相応しい扱いになったなって思いました。

ルシアンが主人公を溺愛するルートに入った気がします。
あとはユミラ夫人を何とかするだけです。あの人を抑えれば、メイドのアンナの行動も自然と止まります。
上手く丸め込んでくれることを期待しています。

ルシアンは、主人公の複雑な事情に気づいてしまったようです。
伯爵家で酷い扱いを受けていたことを。
それがもとになって激怒しているって感じでした。

私も主人公と同じで優しいなって思いました。
誰かのために怒れるなんて、なかなかできることではないです。

部屋の移動が行われた場面も印象に残っています。
私物がほとんどないと書かれていたからです。
貴族の令嬢なら、美しいドレスや綺麗なアクセサリーを持っていても不思議ではないです。
それが一つもないので、読んでいてしんみりしました。

ルシアンの意見はこうです。
主人公は自身の妻になったにもかかわらず、ド・ブロイ家から酷い扱いを受けている。生活に利用している部屋も狭く、これでは使用人と大して変わらない。

主人公の意見はこんな感じです。
伯爵家で暮らしていた頃と比べると、ここは天国。何か言われることはあるけれど、慣れてるから全く気にならない。それに美味しいご飯を食べられて、部屋も掃除してもらえるから暮らしやすい。

二人の意見の食い違いが面白いです。
読んでいると笑ってしまいます。

主人公が伯爵家でどんな生活をしていたのか、調べるまで続くのではないかと。
読んでいて楽しいので、このままでも構わないです。

王妃がルシアンの妻は主人公が相応しいと認めました。
国を挙げて協力すると言っていますし、ほぼ間違いないでしょう。

面白かったのがその後です。
王妃は現公爵に会わず、ユミラ夫人にも顔を合わせずに帰ってしまいました。
要するに面子が丸つぶれなわけです。
それについて怒っているシーンがおかしくて笑ってしまいました。

個人的な印象ですが、国が認めた場合は逆らえないのが普通と考えています。
貴族といっても国が容認してこそ、存在価値があるからです。
その印象はユミラ夫人の態度を見ているうちに吹き飛びました。
メイド達にあんな命令をしたということは、国家の命令よりも面子の方が大事ということになります。
ユミラ夫人が凄い人のような気がしてきました。

シャロンは主人公の友人です。
本名をシャロン・ミュレーズといい、伯爵家の令嬢だとか。

主人公が母を亡くした後も、手紙のやり取りを続けていたと書かれていました。
イサベラを撃退したと出ているので、家庭の事情も知っているのかなって思いました。

今の主人公の周囲には、味方と言えるような人は一人もいません。
強気なことばかり脳内で語っていますが、寂しいと感じている裏返しのような気がします。
シャロンが支えてあげるという展開を期待したいです。