詳細を表示しないさんのレビュー一覧

包丁を何に使うのかと思ったら、あんな風に使っていたとは。
背後に立っているところとか怖過ぎです。
狙った所へ上手く当てている意味も含めてです。

斬った後は家に持ち帰って冷蔵庫の中に入れて、冷凍保存するのではないかと。
主人公は全く怖がっていないので、何度もやっているって感じもします。

渉は全く知らなかったみたいです。
驚きのあまりしゃがみ込んでいました。
普通の人の反応はやっぱりこうなんだろうなって思いました。

渉は実の身に起きたことを、自分のせいだと思い込んでいるようです。
その思いがトラウマにつながっているようにみえました。
真面目ゆえに相当苦しんだのではないかと。
気の毒だなって言ってあげたい気分でした。

主人公は実と渉の血のつながりが妬ましいとか。
自分の知らない実を知っていることも併せてです。
怖いことを考えているなって思いました。

実の方は、渉と主人公が会話しているところを見ていました。
こっそりと覗いているって感じです。
無表情ゆえに何を考えているのかわかりません。
そこが怖いです。

お盆の墓参りは、渉と常に一緒だったとか。
主人公はそれを行かないと言っている訳です。
何があったかと心配するのもわかります。

と同時に主人公の気持ちもわかるんです。
家の中に実がいるという特殊な状況になっているので。
正直に伝えたくても内容的にできないです。
そんな思いが伝わってくるので、可哀想だなって思いました。

隠し通すのにも限界があります。
いつかは実がいることがばれてしまうのではないかと。
できれば渉も協力者になってほしいです。
一人でやり続けるのはきついので、味方がほしいです。

実の弟の渉は、高校生くらいになっているって印象でした。
夕方にバイトをするようになったらしく、日々励んでいるようにみえます。

ラストでその渉が、主人公の家に行きたいと言っていました。
墓参りのついでに寄りたいとのこと。
家の中があんな感じなので、来てもらったら困ると思うんです。
この流れで寄るなとも言えませんし、どんな返事をするのかちょっと気になります。

実がいることを隠すという展開になりそうな予感。
それしかないと思います。

実と会話しているシーンを見てこんな風に思った訳です。
頭が影になっていて見えないなって。
そこの所だけ隠されているって感じもしました。

それでページを進めたら、衝撃的なラストになっていたのでした。
いや、あれは驚きました。
うおっとか、変な言葉が口から出てしまった程です。
平然としていられる人はあまりいない気がします。

あと、冷凍保存している意味を考えたら、背筋が冷えました。
大事にしたいって気持ちはわかるのですが、怖すぎです。

アティスが出ていこうとしたところを、主人公が後ろから掴んで告白。
それに対して彼が応じるって流れでした。
これで両想いになったなと思いました。

主人公はアティスに初めて出会った時から、気になって仕方がないって感じでした。
持っている力もよく似ています。
最初からこうなる運命だった気もします。

ククリに近づくなと言っているシーンで吹きました。
俺のものだと言わんばかりの態度がシュールでした。

実が戻ってきたシーンが強く印象に残っています。
窓にいないはずの男の子が張り付いていて、顔以外の部分が真っ黒に染まっていました。
しかも主人公の名前を呼びながら近づくなど、ホラー全開って感じです。
凄い場面だなって思いました。

黒と書きましたが、赤が正解かもしれません。
実の発言内容から察するに、主人公の生命力をもらって生きているように見えるので。
この辺の設定もホラーだなって感じます。

矛盾をついている所が面白かったです。
異世界転生に向いていない人ほど、異世界転生しやすいと語っています。
これを矛盾と言っているので、上手い所を突いているなって思いました。

ブラック企業で働いていた人がトラックで転生とか、突発的な事故に巻き込まれたってパターンが多い印象です。不運が続いていて、更なる悲劇が起きてから転生という例もありました。
普通に生きて天寿を全うし、それから異世界で生まれたってパターンはあまり見たことがないです。
不運だった人に幸運を与えるって感じのような気もします。

ラストのオチで盛大に吹きました。
転生というより、時代が逆行しすぎているって感じです。
アイデアが斬新だからか、読んでみたいって思えてくるから不思議です。

社会に出ると、どうしても社会に合わせる必要が出てきます。
美の基準も世間が認めないと意味がないです。
自身に合わせた世界に行きたい、と考えるのもわかると思いました。

で、どんな世界に行ったかというと、文明がないところだったのでした。
コミュ障になっているのが普通で、逆のタイプは異端児扱いになる世界のようです。
合わせ過ぎた結果がこれなので、あまりにもおかしくて盛大に笑ってしまいました。

社会にお礼の言葉を述べているシーンもじわじわときました。
自分に正直なのも考えものだなと笑いながら思いました。

正義の魔法少女が敵をあんなやり方で倒しています。
口から足が出ている所がなんとなくシュールでした。

友達が飲みやすいように、背中をさすってあげているのも面白いです。
胃袋に落ちたら勝ちって流れになっています。
悪役のように見えるせいか、少し笑ってしまいました。

正義の味方が敵をあんな風に倒したのは、この作品だけではないかと。
他の作品とかでは見たことがないです。
面白い特徴だなって感じます。