かけだし勇者Lv1のヒューマリオン スライム討伐編

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かけだし勇者ヒューマリオンとスライムが激しくぶつかり合いそして絡み合う様子をあらゆる角度からご鑑賞いただけます。

まだまだ青二才のかけだし勇者。ヒューマリオン・ガイアス
英雄にあこがれて鍛錬の日々。ガイアス家に伝わる最強の武器「巨人のテーブルマナー(ナイフ・フォーク・スプーンの3点セット)」と異様に硬くて丈夫な盾「給食鍋の蓋」を装備している。ガイアスは英雄の血筋。恵まれた才覚、特に身体能力はすさまじく高い。(ガイアス家は巨人の血をひいているのその理由の一端)しかし極めて思慮深くなく、能天気、食いしん坊(好きな食べ物はキノコ)と少年漫画の主人公にありがちな残念属性てんんこもり。そんなわけで英雄への道のりは遠い。

Lv1の相手と言えば「スライム」。
物理攻撃に耐性があり武器による攻撃が通じないことは村の子供から王都の貴族まで皆がしっている常識。身体を触手状に伸ばして攻撃してくる。人間も含め動物を積極的に襲う。危険なのでモンスター討伐の専門家(この世界では勇者と呼ばれる)に駆除が依頼される。ヒューマリオンはスライム討伐の命を受け魔物の潜む洞窟へ向かっていた。

人並外れな身体能力のヒューマリオンは慢心していた。
例えば英雄的な勇者とヒューマリオンが純粋に腕力のみを比べれば、ヒューマリオンが勝だろう。それがLv1のヒューマリオンに過大な自信を与えていた。だがスライムに力で挑む英雄はいない。一般的には大量の塩で回りを囲み移動を封じ乾いていくのを待つのである。勇者に必要なのは腕力だけではないのだ。そしてスライムはそうまでして直接戦闘を避けなければならないほど厄介なのである。だがヒューマリオンは一見して脆弱そうなスライムを取るに足らない相手だと判断した。ヒューマリオンは隙だらけだった。スライムは容易くヒューマリンを捕ることができた。捕縛され身動きのとれないヒューマリオンをスライムは執拗なまでになぶり続けるのだった。

スライムが積極てきに動物を襲うのは、動物のもつDNAを求めているからである。彼らは搾取したDNAからあらゆる形質を獲得し体の構造を変化させる。これを進化と言う。進化開始から時間が立つほどに顕著に変化して行く。やがては不定形だったスライムの性質は完全に失われる。逆に言えば進化直後はまだスライムの性質が色濃く残っている「ヒトガタ」はこれにあたる。実は不安定な状態であり羽化直後の蝶のようなデリケートさを持っている。この世界に上記の知識を有する者はいない。だが世に潜むあらゆるモンスターはスライムから発生しているのではないかと言う者もいる。
進化してなおヒューマリオンを求めるヒトガタ。これはヒューマリオンのとある形質が顕在化したためである。【自己愛】ヒトガタが形質の複製元であるヒューマリオンに執着する理由である。

不定形による物理耐性が失われたヒトガタをヒューマリオンは制することが出来た。やられたらやり返す。ヒューマリオンは負けず嫌いだった。ヒューマリオンは二倍返しとばかりにヒトガタを責め立てる。ヒトガタは進化途中のデリケートな状態である。人並はずれた身体能力のヒューマリオンの責めはヒトガタには耐えきれない。初めて知った快感に夢中になるヒューマリオン。やがてヒトガタはボトボトと溶け落ちて行くのだった。