●羽山 浩一
本作の主人公。
斜に構えたところがあるヘビースモーカーの青年。
東京の大学生で、民俗学の研究室に所属している。
養父母に育てられ、本家である倉木家には子供の頃に滞在したことがあると聞いているが、当時の事をほとんど覚えていない。
女性の顔を認識できない奇病を患い、不思議な悪夢に悩まされている。
「安心しろ、お前みたいなうるさいハリネズミ、こっちから願い下げだ」
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二〇〇〇年、夏。
信州の山奥にある閉鎖的な集落・久坂村では、ひっそりと祭りの準備が進められていた。
それは十九年に一度だけ行われる秘祭、『月待ちの儀』と呼ばれるものである。
儀式を取り仕切るのは、この土地を古くから支配する倉木家。
彼らは『椿館』と呼ばれる花が咲き乱れた壮麗な洋館に住み、独自のしきたりを守り続ける謎めいた一族だった。
主人公の羽山浩一は、本家である倉木家からの呼び出しを受けて椿館へ向かうことになる。
彼は女性の顔が認識できない奇病を持つ上、連日の悪夢に悩まされており、その日も幻覚に襲われて担ぎ込まれるように到着した。
しかし倉木家で悪夢から目覚めた彼は、突然女性の顔をはっきりと見えるようになる。
相手は倉木鈴菜。この家の一人娘であり、『月待ちの巫女』だった。
やがて浩一は倉木家の当主になり、一ヶ月後の『月待ちの儀』までこの館に滞在するように言いつけられるが――。
不可解な村で行われる秘祭、その果てに花咲くものとは――。
●羽山 浩一
本作の主人公。
斜に構えたところがあるヘビースモーカーの青年。
東京の大学生で、民俗学の研究室に所属している。
養父母に育てられ、本家である倉木家には子供の頃に滞在したことがあると聞いているが、当時の事をほとんど覚えていない。
女性の顔を認識できない奇病を患い、不思議な悪夢に悩まされている。
「安心しろ、お前みたいなうるさいハリネズミ、こっちから願い下げだ」
●倉木 鈴菜 (CV:夏野ぱいん)
倉木家の一人娘。
代々受け継がれてきた『月待ちの巫女』を継承している。
大事に育てられてきた勝気なお嬢様のため世間知らずの面も。
浩一のことを新しい当主として認めず、反発的な言動を繰り返す。
「あなたなんて、さっさと追い出されちゃえばいいのよっ」
●春川 知美 (CV:遠野そよぎ)
倉木家の使用人。
穏やかで内向的な性格。
ふわふわとした掴みどころのない受け答えをするが、仕事はそつがなく、人に仕えて喜んでもらえることを第一としている。
身寄りがなく、倉木家の主治医・春川一平に養女として育てられた。
「そんな、旦那様のお世話は当然のことですから……」
●栗原 沙也加 (CV:東シヅ)
倉木家の使用人。
ハキハキと明るく人懐っこい性格で、浩一に対しても気安い態度を取るムードメーカー。
その容姿は、かつて失踪した人気女優と似ているらしいが―。
「またまた~早速当主様の特権ですか~?」
●東 衣緒 (CV:佐山森)
鈴菜の幼馴染。
素直な性格で、少女と見紛うほど華奢な美少年。
学者肌で民俗学に興味を示し、数日前から書生のような立場で倉木家に滞在していた。
使用人の春川知美にほのかな想いを寄せている。
「春川さんって……あの……どんな人が好きなのかなあ……って」
●倉木 由利子 (CV:一色ヒカル)
倉木家を取り仕切っている人物で、鈴菜の母にあたる。
普段は妖艶で厳格な態度だが、まるで人が変わったようにおっとりとして母性的な言動を取るときもあり、捉えどころのない女性。
浩一が倉木家の当主になるよう強く望んでいる。
「――それで浩一さん、心は決まりまして?」
●沢口 千賀子 (CV:谷口ケイ)
浩一の元恋人で、現在でも友人として接している。
本山教授の助手としてゼミに在籍中。
クールで冷めた物言いをすることも多いが、決して冷たい性格というわけではない。
夏でも黒の革手袋を常用している。
「忠告したはずだがな、女を見る目をみがけってな」
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