疼き ～淫欲に満ちる月～

月が女を狂わせる。月が女を燃えさせる。
交合し、重なり合う肉体の熱に生の確かさを得ようとして、女が誘う。
女ばかりの屋敷で、あなたはどんな体験をし、どんな結末を迎えるのか・・・。

豪雨の中を、俺は走っている・・・
なぜ？——追われているんだ。
なぜ？——知らない。だけど、奴等は俺を人殺しだと——
錯綜した記憶、冷えきった身体、誰かの足音・・・
そして逃げ込んだ先は————深い山、森の中の一軒の屋敷。
それが、この世のものならぬ淫らな世界への入口とは知らぬまま・・・。

女友達とともに走っている1人の男。
彼は殺人事件の容疑者として追われて逃げている。
彼は混乱し、怯えている。
自分は本当に友人を殺したのか？　それすら思い出せない。
森の奥深く、雨にうたれ、冷えた身体が震える。
疲れ果てた彼らの前に現れた、一軒の豪邸。
世俗とは隔絶されたその場所には、妖艶な母親と二人の娘が暮らしていた。
そして、空に月が登る時・・・予想もつかぬ淫媚な物語の幕が上がる。