lizardfolks recensionslista

”赤の時代”と呼ばれる2045年代に流通する装備を多数掲載した拡張ルールです。基本的にどの装備もオーバーパワーではなく、インフレは抑制されているものの(単純に強い装備が欲しければコアルールブックの”ハリケーン・アサルト・ウェポン”か”カウボーイ”を使いましょう)、フレーバーに富んでおり、どのような有り様(スタイル)と流儀(アティチュード)を持つエッジランナーになりたいのか自己表現できるのが魅力です。
個人的にお気に入りの装備は以下です。
・エグゼクティブ・アーマー:自己修復する高級防弾ビジネススーツ。
・反射コプロセッサ:【反応】7以下でも弾丸を回避できるサイバーウェア。ビルド幅が広くなる!
・ハデス・多用途アサルトショットガン:弾丸の切り替えを簡単に行える上、片手で撃てるショットガン。
・SWATリニアフレーム:移動が難しい地形でもペナルティを受けないリニアフレーム。

また、おもしろいところとして、ナイトシティでどのように商品が流通しているのか、どうすればフィクサーを探せるのか、といった点が詳細に書かれています。物資の欠乏した赤の時代をサバイバルするためにどのようにマスタリングすればよいのかが分かるようになり、GMにとっても利便性が高いです。

加えて、曲者ぞろいの2045年のフィクサー連中が書かれています。ナイト・マーケットを共同開催する相手を探しているフィクサーPCにも、クルーに仕事を割り振るフィクサーを見つけたいGMにもおすすめです。

サイバーパンク2077では、悪徳の街でありながらも魅力がたっぷりあったナイトシティですが、このデータパックに掲載されたシナリオでも、最低な部分と素晴らしい部分を見せつけてくれます。

ブックレットに掲載されているシナリオは、
・有名音楽グループと連続焼身自殺事件についての関連調査
・撃墜された飛行機から落下した、50,000ebの価値があるブツの奪い合い
・バイカーギャング達による、通行人虐殺ゲームの妨害
など6本。どれもざっくりとしている一方で魅力が強く、チューンのしがいがあります。
「ナイトシティの20のあれこれ」もPLやGMが使いやすく、世界観を大きく広げてくれます。

マップはシナリオでそのまま使用できるものですが、ただオンラインセッション用にjpeg版があれば更に良かったかな……とも思います(現状2ページに分割されており、印刷時には便利ですがオンセにはちょっと使いにくい)。

全体として、サイバーパンクREDシリーズを遊んでおり、更に世界観を広げたい方にはおすすめです。また、2077以前のナイトシティを描写する副読本としても魅力的でしょう。

なお、データなどは掲載されていないため、強い装備などが欲しい方にはおすすめしません。無料DLCとして公開されているいくつかのPDFや、Black Chrome(装備品が掲載された追加サプリ)の翻訳を待ちましょう。

「信頼できない語り手」要素を盛り込んだ結果、かなり陳腐化しているクトゥルー物ジャンルでホラーを遊びやすくした良ゲーム。
CoCシリーズはBRP(d100)システムを使っているためどうしてもルールが肥大化するところを、このゲームでは判定を単純化(D6を振って4以上が出たら成功)や技能数の整理などでかなり軽く、ナラティブに遊べるようになっています。
優れたルールではあるのですが、ただし一方でGW明けに行うと書かれていたアップデートが一向に行われないのはかなり気になります。現在1ヶ月が過ぎていますが、このままアップデートがされないのなら、評価を下げざるを得ません。