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「隣のあの子に握られている。」 へのレビュー

    • 2024年04月12日
      レビュアーオススメ!
      ナサニエル帝国の記念すべき第10作品目。
      ネイト様が手掛ける作品ではお馴染みの1時間半~2時間で読み切れる長編ビジュアルノベルCGです。
      本作も毎度のことではありますが、起承転結が綺麗に纏まっており、映画のような大変素晴らしい物語とその世界観に没入できます。

      主人公の弱みを握り、度重なる「取引」でお金を受け取るマーシャ。
      一方、裕福ゆえに「取引」でマーシャと情事を重ねる主人公・アラン。
      「好きな子を買う」ことで道徳と倫理観が徐々に崩壊していき、物語中盤でついにアランは大きな一線を越えてしまう。
      この出来事をキッカケにマーシャとの間に深い”キズ”ができ、再生不可能なレベルにまで決裂、更には家族との衝突などなど……次々と降りかかる試練にアランはどう立ち向かうのか。
      マーシャの”キズ”をどう癒していくのか―――。

      ネイト様の作品は「Hシーンは物語の脇役」などとも言われることがありますが、本作は情事が物語の鍵を握っていると感じました。
      正確には「情事を取り巻くそれぞれの思惑」と言うべきでしょうか。
      前述した物語中盤の「大きな一線」では特にこれが色濃く表れており、また対立したアランとマーシャのそれぞれに感情移入ができてしまうため、読み進めていっても「2人の溝はどうすれば埋められるんだ?このままじゃ決別ENDまっしぐらだ…」と解決の糸口が見出せられませんでした。
      好感度ゼロまで落ち切ってしまった2人の仲をどう取り戻すのか、ここの流れがハラハラドキドキで、ネイト様の文章構成力に脱帽です!

      人生は自分1人だけのものじゃない、自分を想う人たちの願いとともにある。
      アラン、そしてマーシャ、2人の成長を見届けてください!

      1人が役に立ったと答えています

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