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この作品の中で一番好きなのは神社でおやつを食べるところですね。はこさんによって口が可動するだけの人形と化した私は、されるがままにみかんの果汁を飲み込む他なかったのでした。そんな私たち二人をあわあわしながら見ていることしかできないずなちゃんの様子がとても可愛かったです。

このシーンはとても不思議な心地にさせてくれました。「はははみかん食べてる食べてる」と最初はどこか離れたところから自分を見ていた気がします。でも鯉と己が食べ物をもらっているという点で同一であることに気がついた瞬間から、私は「鯉でいいや、いや俺は鯉だ」そう思ったのです。もはや私は神社の池の中で餌をもらうただの鯉となりました。