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「プロナント・シンフォニー」的鑒賞

    • エロは催眠と敗北凌辱が各キャラのバランスよく割り当てられている。複数同時も多く、数が多いゆえの1キャラ当たりのボリューム不足感はない。
      また催眠シチュは通常時とシーン時のギャップを活かし、その持ち味を生かすように設計されている。普段、ヒロインたちは善良で性に疎い部分が強調される。しかし催眠によって快楽に忠実なエロさを見せてくれるため、この綺麗が理不尽に翻弄される内容は官能的だ。

      ゲーム部分もかなり力が入っている。合成や探索の範囲が徐々に広がってゆく冒険要素の拡大は常にワクワクさせる。スキル装備も特化型にするかバランス型にするかのキャラメイクが楽しい。戦闘も独自の「場」のシステムが面白く、オーソドックスなバトルシステムながらも夢中にさせてくれる。

      個人的には、本作一番の魅力はストーリーであると思う。魅力、演出、キャラ性と構成など、語り始めたら止まらなくなるほど、どれも素晴らしい。字数制限のため、そのうちあまり注目されていないと思われる箇所一点に絞って語る。

      お節介を承知ながら、プレイ時には特に注目してほしいキャラがいる。ペット役の幼竜「ドグ」である。彼は主人公ユリウスを、個性を持った人物として見せる効果を発揮している。その時々のユリウスの心境を、ドグの行動はユリウス自身に客観視させる。この演出により、ヒロインたちに劣らず、ユリウスも濃く描写される。ユリウスはプレイヤーの分身だけではなく、同時にこの物語に必要な人物であることが了解され、キャラクター性を高める。
      この丁寧さは他にも当てはまり、重厚な話を形造っている。だからこそ、5人と1匹、そしてプロナントにかかわってきたすべての人々の想いが決着する終盤は、無類の感動を呼び起こすのである。

      多くのプロナントが織りなす一つの楽曲さながらの本作、ゲーム、ストーリー、エロを求める方は必プレイの傑作である。

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