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不幸な奴隷と主人公が邂逅し、生活してゆく作品である。
本作の魅力は父性愛や比護欲を掻き立てるヒロインの
魅力を抜きには決して語れない。

出会った当初は鉄面皮で、無感情・無感動である。
そんな彼女が愛をもってこちらが接するにつれ、
心を取り戻してゆき、笑顔を向けてくれる。
それだけならばよくある展開であるが、
こちらに心を開いて切々と本心を訴えかけてくる彼女は、
その儚さと健気さからプレイヤーを虜にする。
台詞自体は短いが、それゆえに斬りこむように
鋭くプレイヤーに彼女の痛みを伝える。
それゆえ、否応なくプレイヤーはヒロインを魅了される。

反面、ヒロインは愛に溺れると際限なく淫らになる。
その落差は魔性ともいえる程だが、嫌悪は抱かない。
むしろヒロインは今までの不幸から愛に飢えていたことが
印象付けられ、より彼女に対する「守りたい」を煽る。

可憐さと淫猥さの二面性が解け合わさった結果、
「シルヴィ」というヒロインを輝かせているのである。

奴隷を凌辱・支配する作品は数多あれど、
奴隷と相思相愛をシミュレートできる作品は稀有であろう。
本作は上記のような貴重な体験を提供してくれる、
ありそうでなかった一大傑作である。