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「新竹取物語 1000年女王(1)」的鑒賞

    • 作中でも登場人物が言っている事なのですが、難解です。
      まず宇宙規模のSFが難解です。
      未知の惑星がやってくるのを観測者として描いているので、推測や憶測が飛び交っていて、作品の序盤で何ら確定情報が無いのも相まって頭を悩ませます。
      しかも、[作品内容]に書いてある「秘密結社“1000年盗賊”」「地底に広がる無人の団地」が難解さを加速させます。
      主人公の敵なのか味方なのか、なぜ東京の地下に大空洞があるのか、謎が山積して大山脈ができそうです。
      そして、作品の大テーマ「1000年女王」の存在が難解さをトップギアに入れます。
      女王とは何の王なのか、そもそも日本人なのか地球人なのか人間なのか、美脚にスリスリしたいけど許してくれるのか、など謎が謎を呼びます。
      ただ、これらは全て欠点ではなく、SFにとっては誉め言葉です。
      大長編の締めくくりに謎ばかり残っては駄作のそしりを免れないかもしれません。
      しかし、まだ1巻なので大風呂敷を畳むページは幾らでもあります。
      何より、少し不思議な感覚が山盛りになってこそのSFです。
      推理小説であれば、この1巻はやっと事件が起きた所、否もしかしたら事件の現場となる洋館に主要人物が集合する途中くらいのもんです。
      したがってSFファンなら大いにワクワクする謎の連続です。
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