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مراجعات لـ # اسم#

    • DLsite Playで確認してみると、自分が同人音声作品を聴き始めたのは14年の半ば。
      この最初の一ヶ月のうちに、牡丹さんを1~3まで買っている。
      こうして見返すと、惚れてたな、って思う。

      そんな牡丹さんの物語のひとつの区切りとなる本作が、とても内省的な作品になっていることが面白いと思った。
      星空に意識を沈める導入から、二人だけの世界で幻想の河を下っていくパート、そこからは過去のシリーズ作を辿り直すような展開。
      煙草と耳かき、夢を見せない小町、プワゾン…どれも記憶と紐付いたエピソードは、最低限の音だけで静かに聴かせる。
      合間合間に入る音叉とオルゴールのインタールードも含め、牡丹さんと二人だけの世界に没入することに特化している。
      ASMR的な要素も控えめに、引き算の演出で牡丹さんの語りと息づかいを浮かび上がらせる。
      それを飽きさせないのは、やはり演技の部分。
      本作中に登場する源氏名の由来のエピソードも印象的だけど、やっぱり自分にとっては小粋さん≒牡丹さんみたいなとこがあって。
      本作の演技は、演技力、みたいな事すら超えて、「牡丹さんがそこにいる」、って印象を持った。

      エッチパート。
      懐古厨めいた物言いになるけど、初期ささやき庵的なテイストを感じるんだな。
      してることはシンプルで、でもイチャイチャの濃度は高い。
      凄くエロい、というよりは、感情の交感があって、「満たされる」、「胸の暖まる」エッチ。
      田中ユタカのマンガ、『初愛』とか読んでるような。

      そんな諸要素が絡みあって、「狭い」けど「深い」ような、独特の作品になっている。
      それはシリーズがここまで続いたからできることでもあって、ひとつの達成とも言えると思う。



      にしてもやっぱり牡丹さんは自分にとっての「特別な人」だ。
      「夢は見せない」なんて言ってたけれど、「音や声で夢見る方法」を教えてくれたのは牡丹さんだから。

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