OA-5599さんのレビュー一覧
レビュアーランキング | - | (役に立った数:11件) |
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投稿数ランキング | 863位 | (総レビュー数:14件) |
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2022年09月11日
2021年10月27日
「ChrismasTina-泡沫冬景」本編の過去を描いたショートストーリー。
テキスト分量はわかりませんが、体感的には「桜色零落」が二割、「景色蕭然」が八割くらいに感じました。
「桜色零落」が全編日本語で舞台も日本なのに対して、、「景色蕭然」が音声のみ中国語で舞台が80年代前半の中国のため、読解に時間かかったこともあるかもしれません。
「ChrismasTina-泡沫冬景」本編のスタート時点を、栞奈、景の最初のどん底だとすれば、どちらもそこに至るまでを描いた作品なので、いろいろ知ることが出来るいっぽうでお話しとしては後味が良くありません。
「桜色零落」は、栞奈と絵美にスポットを当てたごく短いストーリーで、時系列的にはそのまま本編に直結します。
栞奈が極端に視野が狭くなっている背景とか、絵美が着物を普段から着るようになったきっかけとか、本編で「どうして?」と引っかかりを感じていたことが明かされました。
物語の背景となる登場人物を取り巻く環境がどの様に醸成されたかが明確になるため、もし本編制作以前から決まっていたことならば本編に含めても良かったのでは、と思ったほどでした。
「景色蕭然」は、景が父の元を離れてから大学受験までの過去を描いた短編です。
連環本(中国の漫画本)など見慣れない単語が注釈なしで出てくるため、少し面食らうところはありますが、読んでいけばわかる程度です。
景の従姉にあたる文茜がかなりわがままで、本文中でも「自己中心的で身勝手」と書かれるほどの振る舞いを読むことになるため、ややストレスのかかる内容です。
そのためか、勉強一辺倒で堅物の景がマ〇ケル・ジャクソンの真似事を覚えたきっかけと合わせて、音楽的な面でサービスがあります。
このエピソードは、日本と中国との価値観の相違がよく表れていて、文茜は極端な例ですが、根本的な考え方は本編における景やその同胞と変わりないことが再確認できます。
2021年09月27日
2021年06月30日
まず、音楽が素晴らしいです。タイトル曲から引き込まれて、シーンにぴったり合った曲に変化するのに一貫性があって、作品のバックグラウンドをしっかり支えています。
二人の主人公のうち中国から来た景(ジン)は、かたくなに中国語しか話さないのですが、洞察力が高いのが特徴です。普段はずれたやり取りをしていても重要な部分は見落とさないため、意外にも彼視点の方が読みやすいです。
もう一人の主人公の栞奈は、人付き合いが苦手なうえに察しが悪いところがあるので、読む人によっては彼女視点はちょっとイラっとするかもしれません。同じ日本人視点ということもあり、いまの感覚では「それはないだろ?」と思う部分もありますが、80年代末期頃だと情報や文化の地域差が大きいので一概にありえない、と言い切れません。時代設定を踏まえた人物像が描かれていると思います。
キャラクターの中では、サブキャラの詩織や江がイメージしやすい80年代を反映した人物だと思います。
バブル期だからといって日本のすべてが豊かだったわけではなく、当然そこには影の部分があったわけで、その影の部分にあえてスポットを当てた内容になっていました。
これは、栞奈の要領の悪さも相まって、そうした影の部分を集めた感じになっています。
それでも全体としては、暗い話という印象が薄く、むしろ前向きな印象があります。
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2021年04月05日
上坂すみれさんの演技は折り紙つきで、すずしろがごく自然に話しかけてきます。
出区準備から運行中の様々な音や確認の言葉などもしっかり取材して作られているので、まいてつシリーズの知識がなくても、SLの音声作品として聞けます。
また、出区から運行中の音はスピーカーで出力しても十分音が拾えるので、作業用BGMにも使っています。
個人的には、風邪をこじらせて寝込んでいたときに非常に重宝しました。
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2020年12月08日
吐息と環境音が主体で、ストーリーはもとより語りもほとんどありません。
最初、BGMが邪魔かな~と思ったのですが、環境音(効果音)に現地で録音した音を使っているため、声と環境音のテンポの間を良い感じにつないでいます。
語りは雲水峡や七本杉を切り口にした自然の話題程度で、精霊が云々とかこの土地が云々といった話はないので、吐息だけの添い寝ボイスに近い構成で作られています。
休みたいけど休めない時や眠りたいけど眠れない時に聴くのにうってつけだと思います。
作品形式としては雨音を延々と再生するアプリに似ています。
浅見ゆいさんの声が側に誰かがいるあたたかさを感じられて、テンポがゆったりとしているのでとても落ち着きます。
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2020年09月10日
みもりあいのさん演じるちょっと後ろ向きで怖がりな女の子のモノローグが軸になって進んでいく構成です。
モノローグ部分は、リッカという女の子が自分のことを顧みながら、自分と先輩(リスナー)との関わり合いについて話すので、常に話の主体はリッカとあなた(リスナー)です。
視点がぶれないので聞かせたいではなく、聞いてもらいたい感じが出ているところにリッカの性格や二人の関係が成立するまでの経緯が反映されていて、そこにドラマ性があります。
甘々という感じはそれほど強くなく、気を許した相手にだけ寄り添ってくる小動物と接しているような穏やかさが良く出ています。
ラストに関してはリスナーの解釈次第で、見方が変わってくると思うので、明言はしませんが、悲しい物語では無いと思いました。
切なくはあります。
また、リッカは明らかに年下だと感じられる程度で、ロリって感じではないです。
おどおどした話し方とみもりさんのウィスパー系の声が合わさって、体格差が音から感じられるところはあります。
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まず、全て在宅シーンなのが良いです。出会いから入る話やお店に行く設定なら別ですが、こういう作品を聴くときって自宅にいるときだからです。帰宅後に聴くにしても外での仕事は忘れていたい現実なので、それがねぎらいの言葉であっても話題にはして欲しくねーわけです。
そうした非現実を提供するための大前提と在宅仕事のリスナーの存在を意識した作品になっていますね。
さくらは、甘え上手で休ませてあげたい気持ちを自分がしたいことと結びつけて、良い意味でこちらの間合いに割り込んできます。
みもりあいのさんのほんわかした大阪弁が主人より年下の女の子を描き出していて可愛いです。個人的にみもりさんの演技は、いわゆるロリキャラよりも本来の声に近いバランスの方が好きなのでさくらはかなりいいとこ突いてました。
あやめは甘えさせ上手で、自分のペースに乗せる過程で三人の中でも年長な点を生かして相対的に幼子をあやす方向に誘導していきます。シチュエーションとしてはあんまり好みではないのですが、
まさきふぁんさんの京都弁の言葉運びと相まって最も時間の流れがゆったりと感じられました。
なずなは、くっつきすぎず離れすぎずそっと寄り添ってくれます。主従の距離を明確に取っている真面目な子で、一線に触れそうなところでは「お世話してあげたい。でもメイドとしての立場をわきまえたい。それにちょっと恥ずかしい」という葛藤がにじみ出ていてすっごく愛らしいです。話し方のテンポは住み慣れてきた東京寄りながら、故郷の言葉の関西弁で話す感じです。
柚木桃花さんの落ち着いた演技に織り込まれた照れや困った感じ、嬉しそうな仕草やなずな自身が感じている安らぎが伝わってきて素敵でした。
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2019年12月24日
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2019年07月19日