Liste des critiques de SETZ'

彼とヒロインの睦まじい仲の描写を縦軸に、ヤクザ社会に関わる恭介の境遇を横軸にして交わる波乱の展開を、これだけの尺にテンポよくおさめたストーリーがとてもよかったです。
恭介くんは歳下、まして高校生とはとても思えませんね…いや、ハタチにはなってるそうなのでいちおう大人なんですけど…オトコとしての経験値はおそらくかなり高いんでは??と勘繰りたくなるほど女のあしらい方がうまい。ヒロインは歳上なのにやり込められてばっかりみたい、でもめちゃくちゃ惚れられてる!こういう設定美味しすぎです大好物です。パッと見や言動はヤンキーだけど賢いし強いし気は利くしえっちは上手いし…色気だだ漏れな流し目の麗しい顔立ち…イラスト素敵すぎます…全身の姿絵欲しいです…隙が見当たらない魅力的なキャラクターでした。
ヤクザの組長である叔父さんには恩があるし慕ってもいますが自分の決めた道も女も自分で守り抜く、という気概が素晴らしい。そして目上の人にちゃんと敬語が使えるってポイント高くないですか?闇雲にいきがるわけでなく、そうかと言って尊敬できない相手にはキッチリ己の主張をぶつけてやり込める聡い一面もある。どんだけカッコイイの…。最早スパダリになる未来しかないでしょう!
熊田乱さんは相変わらずCVの変幻自在っぷりを遺憾なく発揮されてますね!演じ分けを楽しむのもまた一興、という今作。関西弁については関東在住の身で甲乙つけるわけにはいきませんが、充分楽しませて頂きました。フリートークにも活かされてますけど、その内容は作品の中身にほぼ触れてないという…いつもながらのフリー過ぎるオチでした!(笑)

細かいネタバレあります。

ヤクザの鉄砲玉より乱暴なヒロインて新鮮ですね!もちろん最初はそんなこと知らないんだから、酔った勢いってホントこわい(笑)で、素直に?殴られてしまう最上さん。記憶なかったからとは言え、自然と手を出してしまってもおかしくないのに…と、そんなとこにも彼の根本的な性質が見える気がしました。迫られて押し切られ、その気になっちゃってからはヤラレっ放しにならず攻め返していくあたり、すごく良かったです!そして翌朝、味噌汁で絆される……女が!(笑)普通ヤクザものの話なら逆よね??この辺はやっぱり竿淵作品ならでは…な展開!だなぁと思いました。
コメディっぽい流れから、裏では不穏な事態だった次第が明らかになり、進藤さんとの戦闘(喧嘩)シーンはCVの折原さん御自身が｢やりたい｣と仰っていただけあって迫力がありました!こういった(女性向け18禁)作品には珍しい気がしますけど、物語の世界観には合ってるし、進藤さんの立ち位置が分かるとか太っ腹なケジメの取り方に持っていくには必然な感じもしました。チャラそうで男前な進藤さんの方に惚れてしまいそう…外野だからいいですよね…お風呂には沈められたくないですけど!
足を洗った最上さんと就職できたヒロインの後日談をぜひ、出して頂きたいですね。お味噌汁のダシがどうなったか知りたい(笑)

細かいネタバレ含んでおります!
彼女に何も隠さなくてよくなった陸のはじけっぷりがたまらない。彼女も(こっちは前と変わらずか?)欲望に忠実で、時間の流れと共にお互いすごくいい関係を築いてきてたんだなあ…と。勿論えっちなことだけじゃなくて、信頼し合って全部を預け合える仲になれてるんだな、って意味でも。終始くだけた話し方になってきてるところや、ポロッと願望が漏れてしまってるところなんかはまさに「眼鏡をはずした(=素の)」陸という感じがして、続編を聴ける醍醐味ってこういうとこだな…と思います。陸は眼鏡の秘密、彼女にバラしたのかなあ?秘密を知らない方は相良家のサイトで陸のホワイトデーSSをご覧下さい!
今作で一番好きなのは、陸がとても穏やかに話しかけながら、なのにやってることは中々激しい濡れ場。寸前まで攻め立てながらイかせてやらず甘々に甚振って名前呼ばせるあたりなんて、本当にシナリオと声優さんの芝居が見事に掛け合って熱い空気感が醸されてて昂りました。前作もそうでしたが、ysd.さんこういう芝居するとほんとヤバい。また陸に惚れ直したわ…
寝起きのせいか余計にぞんざいな口調になってるとこは萌えポイントでしたし、何気にまた彼シャツ着せてるコイツ(*≧艸≦)とも思いました!前作聴いてて、同じこと考えた方いるかなあ?今回は大丈夫なのか(笑)
そして。これまで一緒に暮らしてきた家族、新しく築いていく家庭、どちらも陸にとって大切な絆を語る場面も聞きどころです!懐の深いオトコ。こんな旦那様羨ましすぎる。サラッと裸エプロンて言ったとこは吹きましたけど。
最後、SEに関してですが。外でシてる時の環境音や朝ごはん作ってる時の生活音がとてもリアルな感じで耳に響いてきて、前作より丁寧に作られてるなあと思いました。万屋さんは他作品でもSEに拘ってらっしゃるので、そんな部分も楽しめました。

まず予告で拝見したあきらこまちさんのジャケ写(でいいのかな)に一目惚れです。タイトルと言い、試聴の所謂ドスの効いたお声と言い、トラックリストの内容と言い、さぞやえげつない責め方するんだろな…と思ってましたけど、なかなか情緒的な男でもありました芹沢さん。複数のピアスを施したモノは相当エグそうでしたけどそれは理由があってのことで、こんなプレイをするわけもエンディングで明かされます。
今作はハードな行為も然る事乍ら、言葉責めがかなり激しいです。追い込むように低く囁きながら唆し、次は声高に貶めて、蔑んで、翻弄する。これでもかってぐらい酷く罵られる場面は堪らなかったです。キツいばかりかと思えば、悦に浸って譫言のように呟くところもあり、緩急のついた台詞回しがとても良かったです。
エンディングはどちらも芹沢さんが彼女に向ける思いは同じなのですが、それを受け入れられるかどうかで流れが変わります。BGMもそれぞれの雰囲気を盛り上げてくれていて合ってました。
グッドエンドでは思いを受け入れ、回り道をしてきた男の懐の深さに優しく包み込まれます。バッドエンドでは拒絶された芹沢さんが薬を使って堕とそうとするのですが、最後に彼がトリップした場面はまさに狂気の沙汰でした。今回の役柄からすると、私はバドエンの芹沢さんの方が好きです。真に彼女の性癖に染められ切ってしまった感じがするので。
最近色んな役柄の作品に出てらしたけど、やっぱりオスみ強めなオラオラ系のキャラで聴かせて頂くダイナモさんのお声は最高でした。個人的にはダイナモさんの喉を低く鳴らすというか響かす音も同時に出される(上手く表現できずすみません )独特のリップ音が好きなので、それをたっぷり堪能させて頂きました。
フリートークはほんとに自由(笑)でとても伸び伸びしてらした雰囲気だったので、そういうのも聞けて嬉しかったです。

前作、前々作とも聴かせて頂いています。今作の発表までこんな流れになる(寝取り男登場)とは予想だにしていなかったので、まずそこに驚きました。
｢淡くて甘い恋は雨音とともに―1･2｣は、図書館司書である斎藤雅刀(CV愛音録さん)とのお話でしたが、それに続く今作｢-3～忍び寄る足音は驟雨にも似て～｣は、新たに登場する織部慎二(CV宮司道章造さん)とのお話です。
斎藤の上司である織部が、ヒロインと斎藤の職場での情事を盗撮した映像を使って脅し、かなり酷いやり口で寝取ってしまうのですが…織部ほんとにゲスい。ねちっこくヒロインを甚振り、蹂躙し、徹底的に支配しようとします。人の尊厳を軽んじ、自分の欲だけを満たそうとする場面、本気で怖気を震わされます。そんな織部を演じられた宮司道さん、他作品で高貴なスパダリをやってらしたのを聴いていましたがそれとのギャップに圧倒されました。やっぱり演者さんの振り幅ってすごい。
そして、斎藤はヒロインの心情を理解し、毅然とした態度で織部の脅しを跳ね除けます。しかし織部も一筋縄ではいかない質の男なので、後々の禍根を危惧した斎藤がとんでもないことを言い出すのです。
｢その筋の知り合い」に織部を｢始末｣してもらおう、と。
その知り合いって…!!キャプションのSpecial Thanksに万屋さんのお名前があるのを??と思っておりましたが、ここでそんな風に繋がるなんて!と、あの極な道の旦那様シリーズ大好き民の私は狂喜しました(笑)まさに衝撃のラスト。ここでまたもや、こんな驚かされ方をするとは思いもよりませんでした!斎藤が愛音録さんだからこその流れですね!すっごいドキドキしました!是非とも極な弟と斎藤の共演で、ゲスい織部を｢始末｣するお話を作って頂きたい…。
斎藤もなかなか濃ゆい愛し方をしてくれますので、1と2をお聴きになっていない方は是非お求め下さい!

本作品へのレビューやysd.さんご本人のコメントなどは拝見していましたが、内容的にちょっと厳しいかも…と思ってました。でも以前(ホストの作品で)の経験もあるので、今になって購入しました。
(フィストプレイのあるトラックは聴いていません。有る無しを分けて下さって本当にありがとうございます)
冒頭、重々しく扉が開く音から始まります。親に借金のカタとして売られ、不安を煽られたと思しき｢調教師｣との出会い。次から次へと覚え込まされる嗜虐的な行為の合間、ほんの少しの優しさと、気持ちの繋がりを与えられたかと感じたのちに迎える、同じ音の響くバッドエンド。思わせぶりな言葉はかけられるも、飽く迄、売られたモノとして｢納品｣される結末。それは絶望の扉が開いた音なのか、ヒロインの心が鎖される象徴か。とても印象深いものでした。一方、グッドエンドでは、示された「調教師としての情」が真実の彼の思いであったとわかります。事の全てを擁してヒロインを自分のものとし、将来を約束してくれます。グッドエンドが良かったと思いつつ『箱詰め』が所謂「性癖」なのでその部分だけはバッドに魅かれました(笑)
Sacrificeさんの作品は(私が聴いたものに関してですが)ヒロインと男性キャラの関係性がきちんと描かれているので、感情移入して聴けるところがとても好きです。今回は特に、策を弄してヒロインをここまで堕とした(=自分のものにした)藍原鷹久というキャラが最高でした。調教の段階が進むにつれて冷静さを薄れさせ、没頭して興奮を露わにしていく様はとても迫力がある反面、グッドエンドの終盤で心情を零すシーンは重く静やかな語り口で。シナリオとysd.さんの演技も相俟って、ヒロインを長年に渡り想い続けた男の内面をより深く表していると感じました。そんな、調教の時と独白の時の差異が凄く良かったので…その辺りをぜひ聴き比べて頂きたいです。

突き抜け過ぎてるほどのテンションで困惑するほどでした、もちろん試聴した上で購入してますけど予想以上のアホさ加減に笑うどころか失笑ものですよほんと。サークルさん三橋さんに何やらせてんですか、そして三橋さん何やってんですか!って言わせるとこまで狙ってるでしょ、やだもうその小聡明さに見事ハマりましたよ、完敗です。すんごい楽しませていただきました。でもね、正直アレはズルいですよ?あんなマジ低音トラップ仕掛けるなんてね、もう、彼女じゃないけど完落ちするに決まってるじゃないですか!堪能した!全私が歓喜した!多分私の令和元年購入作品トップ5には確実に入ると思います。美味しいキワモノありがとうございましたm(_ _)m

『Cocktail』シリーズの初作から、長谷部を演じた声優さんが代わっています。CVの熊田さんは、こういった作品の代役という位置の意味を理解し、前作のイメージを損なうことを極力避け、それでいて今作のストーリーに添った「長谷部泰孝｣を演じられているのではないかと感じました。私自身、前作にはとても思い入れがあるのですが、自然に受け入れることができました。
『ブラックルシアン』で公安捜査官だったヒロインを手に入れ、『ダーティマザー』で彼女のかつての教官であり、麻取に移籍した桐島に奪い取られます。
感情の起伏、というか、感情そのものがあまり感じられなかった長谷部が、ヒロインを自分の手元におくことを選び、一旦は彼女を桐島に奪われるけれど全身全霊を賭けて取り返すことによって、だんだん人としての何かを得て(取り戻して)いく。最後の方でそういう言葉も出てきますが、ヒロインも長谷部とともに生きる道を選んだことで得られるものがあり、この先ふたりの醸していくであろう、幸せの発露が垣間見えるラストは本当に良かったです。
シリーズ前2作は催眠音声作品でしたが、今作はシチュエーション作品となり、逃走シーン、カーチェイス、銃撃シーンなど聴き応えのある構成が圧巻です。長谷部と桐島が初めて直接対峙し、お互いの思いをぶつけ合うシーンが素晴らしかった。正直そこから｢えっ?!そういう展開でこう終わる?!｣と思わないでもなかったですが、バッドエンドの暗すぎる未来をもたらす桐島との差異があるからこそ、そこが引き立つのでしょう。
このレビューを書いた時点で『アグラベーション』の予告も発表されています。こちらは桐島サイドのストーリーなので、今作とは違ったエンディングを迎えることとなるわけで…もう、最大値の期待感しかありません。全編通して聴けるように、ここまでの3作品に未聴がある方はぜひ!聴いて下さい!

正直言うと、すごく苦手な設定っぽかったので購入する気は殆どなかったんです。でも熊田乱さんの、他作品ではあまりない高めのお声キャラなのが聴いてみたかったのと、それほど長くなくサラッと聴けそうな収録時間だったので思い切って購入しました。
…結果、思っていたより良かった(笑)確かにストーリーの流れは「チャラい男が酔って意識のない相手にひどいことする」シチュでしたが。
・途中で、ヒロインがどうしてこんな泥酔状態になっていたかの理由が凡そ分かるようになっていたこと
・ノーマルエンドでは、ナンパ的な誘いではあるけれど割りときちんとした｢これから｣が想像できる感じになっていたこと
…という、まさかこんなに印象が変わると思わかなった展開になりました。
バッドエンドの方でさえ、ヒロインが「ホスト遊びに溺れている女」ならあってもおかしくない結末だろうと想像がつく内容だったのでそれほど｢バッド｣にも思えませんでした。
苦手だからと言ってただ｢食わず嫌い｣のままでいるのも勿体ないな、と思わせてくれる作品でした!
そして、低音系のCVが多い熊田乱さんですが。こんな高音寄りのお声もイケるとは…まだまだ色々楽しませてくれそうな声優さんですね～(^^)

自分を裏切った恋人の悲惨な結末を知った男。己の知り得なかった真実が、二人の過去に繋がっているのか。独りで抱えるにはあまりにも苦しいそれを探るには、危険が伴うと解っていて…目の前の女を巻き込めない。でももう自分は、この女を逃せない。
複雑に入り乱れる感情を内に秘めながら、青柳という男は至極冷静に言葉を紡ぎます。しかしその反動か、
猛り立つ情欲が剥き出しになる瞬間は、愛憎という葛藤と、「死」を目の当たりにした人間の「生」への渇望という衝動そのものを彼女にぶつけて吐き出しているようでした。
設定やストーリーの緻密さには定評のあるこちらのサークルさんですが、わたしとしてはキャストさんも魅力的な方を多く起用してくれる!と声を大にして申し上げたいのです。
今作は、他サークルさんで穏やか(だけど実はがっつりセクシー)な男性を演じられた猫野T介さんが
青柳という、表裏使い分けざるを得ない人間性を抱え持った難しい役に臨んで、これを見事に表現して下さいました。獰猛な一面を垣間見せるアダルトシーンでは、頭の中に自分の心臓がバクバクする音が響いてくるほど興奮させられました…それほどに凄かった…。
傷だらけのオジサマ、である青柳悟。(イメージイラストのように)どこか退廃的で厭世観の漂う風貌に隠された激情を露わにして、真実を手にするためにまた傷ついていくであろう姿を見たい。そして癒したい。と思うのは、過ぎた願いでしょうか…