渡し場を継いだ日に、山の王への輿入れが決まった。『前の生から待っていた』
山裾の湖の渡し場を継いだ日、鳴るはずのない山側の鐘が鳴った。棹を差して渡った先で待っていた使者に、私は『王がお待ちです』と告げられた。山の頂の甲宮に座すのは、山ほどもある甲羅を持つ陸亀の王ゴウラ。貢ぎ物として差し出されたのかと身構えた私に、王は静かに言った。『前の生から待っていた』――長命の陸亀は、人の生の何倍もの時を生きる。渚沙、と王は私の知らない名で私を呼ぶ。それは、湖で命を落とした先代の渡し守――私自身が何ひとつ覚えていない、前世の私の名だった。私の前の生を、私ではなく王だけが覚えている。甲宮の褥は静かだった。急がず、揺らさず、深く繋がったまま、王は私の強張りが解けるのをいつまでも待つ。その静けさに耐えかねて自分から腰を揺らした夜、初めて最奥まで注がれて、長い長い口づけをされた。孕むまで山は降ろさぬ――そう立てた誓いを王が自ら退けたあとで、今生の返事は今生の私がする、と答えて、私は渡し舟の艫綱を甲宮の岩に自分の手で結んだ。静けさが頂点になる、異種族番の溺愛転生譚。
■登場人物
■オデリア(26歳・前世名 渚沙)――山裾の湖の渡し場を継いだ転生渡し守。舟の扱いは先代譲りなのに、その先代がどこの誰だったのかを知らない。
■ゴウラ――山の甲宮に座す陸亀の王。山のような甲羅を持つ長命の一族で、甲齢は二百を超えるが人間の齢に直せば三十半ばの成人。前の生からオデリアを唯一の番と定めている。
■ゴウラ――山の甲宮に座す陸亀の王。山のような甲羅を持つ長命の一族で、甲齢は二百を超えるが人間の齢に直せば三十半ばの成人。前の生からオデリアを唯一の番と定めている。
こんな方におすすめ
・渡し場の継承→陸亀王への輿入れ/・動かない静けさの褥で自分から動いてしまう瞬間/・覚えていない前世の名を呼ばれ、渡し舟の艫綱を甲宮の岩に結ぶ
作品仕様
異種族転生官能ファンタジー・ヒロイン一人称・本文 約2.5〜2.7万字(全10章)・段階的性描写・横書きPDF。
・形式:PDF(横書き)・全71ページ
・形式:PDF(横書き)・全71ページ
ご注意
・本作はR18(成人向け)作品です。18歳未満の方のご購入・閲覧はご遠慮ください。
・本作のサムネイルは、生成AIを使用して制作したものに
一部手作業の調整を加えています。
・登場人物・団体・場所はすべて架空のものであり、
実在のいかなる人物・団体・場所とも関係ありません。
・本作は異世界ファンタジーを題材としたフィクションです。登場人物は全員成人(陸亀の王は人間換算で18歳以上の成体)で、性描写は双方の合意のうえで描かれています。
・本作のサムネイルは、生成AIを使用して制作したものに
一部手作業の調整を加えています。
・登場人物・団体・場所はすべて架空のものであり、
実在のいかなる人物・団体・場所とも関係ありません。
・本作は異世界ファンタジーを題材としたフィクションです。登場人物は全員成人(陸亀の王は人間換算で18歳以上の成体)で、性描写は双方の合意のうえで描かれています。










