三万二千円の借財で家族に売られた皐月は涸れきっていた。
橘の借財三万二千円と引き換えに、贄として鬼の領主・焔のもとへ差し出された橘皐月、二十二歳。殺すか○すかしか知らないと言われる鬼に、食事も言葉もなく組み敷かれる日々。だが皐月が月の美しさを語り、感情の名前を一つずつ渡すうち、三百年間何も感じなかった焔の中で何かが揺らぎ始める。鬼の病と呼ばれるその変化は、長老衆に命の危機をもたらし──。贄として消費されるはずだった女と、感情を持たないはずだった鬼の、静かで激烈な異種婚姻譚。
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本作の表紙は生成AIを使用して作成しております。
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