許されない運命

ある日、もうすぐ誕生日を迎える実家の父への贈り物を探していると、感じの良い店員が声を掛けてきた。
丁寧に接客してくれたおかげでプレゼントも無事に決まり、郵送するための伝票に住所や氏名を書いたその時、なぜか店員の表情が一変する。

「あ…あの、こちらの方…送る相手は、お父様、ですよね?　あなたの…?」

「そ、そう…ですか。あ…い、いえ。何でもないです、はは、は…。
　続き、書かれて下さい…」

不思議に思ったものの、それ以降は特に変わったこともなく、無事に購入を終えて店を出た。


──その日の夜。
自分の家でくつろいでいると、突然インターホンが鳴る。

「こんばんは。先ほどコーヒーのギフトセットを
　お買い上げいただきました店の者ですが。
　大変申し訳ございません、
　先ほど書いていただきました伝票に不備がございまして…。
　もう一度お願いしたいのですがよろしいでしょうか?」

不備があったくらいで、わざわざ家まで…?と思いはしたが、言われたとおりに玄関を開ける。
そこにいたのはさっきの店員で、お詫びにプリンまで持ってきてくれていた。
なんだか悪いな…と思いつつも、不備のあったらしい伝票に記名をする。

話をしているうちに、家族仲の話になった。
「仲がいいご家族で羨ましい」と笑う彼は、どうやら家族とうまくいっていないらしい。
色々話をしているうちに、自分たちの父親同士が過去に同じ会社で働いていたらしいことが分かり、話が弾んだ。

「えっ⁉　あなたのお父様も⁉
　はは、そうだったんですか！　世間は狭いですね。
　もしかしたら知り合いかも。
　お父様が話されてたこと、ありません?
　営業三課の佐々木っていう男の話」

「ああ…そうですか。そうですよね、さすがにそこまではないですよね」

「でも、もう父はそこを辞めてて。
　色々あったみたいなんです。本当に、色々…。
　威厳もあって、真面目で、優しくて。かっこよくて。憧れの父でした」


「……──あなたのお父様に濡れ衣を着せられて、会社を辞めさせられるまでは」

そう言って顔を上げた彼の表情は、さっきまでとはまるで違う。
憎悪に駆られた冷酷な表情に、豹変していた。



・この作品は人を選びます。
トラックリストに記載のプレイ内容が多々あり、救いや手加減は一切ございません。
ストーリー全体を通して、ショックを受けられたり、不快になられたり、恐怖を感じたり、怒りを抱いてしまう可能性があるシーンがございます。
ご気分を害したり、心身に影響を及ぼす可能性がございますので、お聞きいただく際はくれぐれもご注意くださいませ。
トラックリストや作品概要、予告動画内に苦手な要素がひとつでもある場合は必ずご視聴をお控え下さい。

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●制作クレジット(敬称略)
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●キャスト
羽柴礼

●シナリオ
本郷るま

●イラスト
一二藻

●音声編集・ティザー動画制作
Emma

●音楽・BGM制作
ARIA

●制作
Occlusion(https://twitter.com/occlusion_info )



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●注意事項
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・この作品は人を選びます。
トラックリストに記載のプレイ内容が多々あり、救いや手加減は一切ございません。
ストーリー全体を通して、ショックを受けられたり、不快になられたり、恐怖を感じたり、怒りを抱いてしまう可能性があるシーンがございます。
ご気分を害したり、心身に影響を及ぼす可能性がございますので、お聞きいただく際はくれぐれもご注意くださいませ。
トラックリストや作品概要、予告動画内に苦手な要素がひとつでもある場合は必ずご視聴をお控え下さい。

・本作はフィクションです。
　実際の人物・団体・事件等には一切関係ございません。