詳細を表示しないさんのレビュー一覧

ラストが衝撃的過ぎるって感じでした。
物語の中で何度か出てきたので、彼女がああなることは知っていました。
運命からは決して逃れられないことも併せてです。
それでもやっぱりショックです。

もし神威が地の龍を選んだとすれば、行動に出たのは彼の方だったのではないかと。
兄が天の龍になり、なぜこんなことをとか言い出していた気がします。
まさに逃れられない宿命といったところ。
どうにもならないので、可哀想だなって思いました。

ナタクのお祖父さんが悲しんでいるシーンが印象に残っています。
感情があったとすれば、あんなことはできないです。
神威によって操られることもなかったはずです。
本当はナタクではなく、霞月として生まれてほしかったんだなって思いました。

私が興味深いと感じたのは、感情が芽生えたと思われるシーンがあったことです。
血のつながりがある者だと認識したからか、何もできなかったみたいです。
名前の元ネタと少し似ていて面白いなって感じます。

しかし敵だと厄介極まりないのも事実です。
説得するのも困難ですし、戦うしかない気がします。

丁と砕軌の会話シーンによると、彼は生まれる前から彼女の護衛になるのが決まっていたとのこと。
夢見の能力でどんな子が産まれて、どう成長するのかを既に知っていたって感じでした。
丁の言うように、産まれる以前から未来が決まっていたことになります。
不思議な内容であり、複雑な話だなって思いました。

気になることもあります。
砕軌が彼女のことを好きになっていることです。
この気持ちについてどう考えているのか、凄く気になります。

あの場面の彼は、未来は決まっていると語っていました。
天の龍は血の龍に勝てない、神威が負けるのも運命である、と暗に言っているようにもみえました。

神威が勝つには、自分でも気づかない望みを捨てる必要があるそうです。
封真を以前の彼に戻すこと、それこそが望みなのかもしれません。
もし過去の記憶を呼び戻せば、間違いなく良心の呵責に苛まれるはずです。取り返しのつかないことをやってしまったからです。戻したとしても地獄、今の状況も地獄、最初から望みを捨てた方が楽のような気がします。

草薙が神威になった封真についてこんな風に語っていました。
自分を捨てて相手の望むように誰かを演じている、と。
確かにその通りです。彼は相手の望みを叶えるために動いていて、それ以外には全く興味がないように見えます。
上手いことを言うものだなと感心しました。

機械のようになっている感じもします。
幸せ云々ではなく、そう動くしか生きるすべがないのかもしれません。
そんな風に読み取れるので、可哀想だなって思えてきます。

犬鬼にはわかるようです。
今の丁は別人であることが。

外見は以前と全く同じ、違っているようには見えません。
犬や猫は霊感が優れていて、不思議なものを見ると吠えることがよくあります。
私が以前飼っていた犬も、何もない所を向いて吠えることが何度かありました。
犬鬼にもそういった力が備わっているのかなって思いました。

とあるルートを進むと、激怒した神威が丁を倒すらしいです。
別人格が丁を乗っ取った背景には、倒されたくないって思いがあるような気もします。

丁は天の龍を導く者で、その妹が地の龍を導く者。
そういう設定かなって思っていたのですが、あの場面で脆くも崩れ去りました。

丁の中に別人格がいるなんて予想できなかったです。
しかも神威になった封真のように、性格がまるで違います。
二人を見ているうちに、こんな仮説が私の脳裏に浮上しました。
表の丁が天の龍を従えていて、裏の丁が地の龍を従えている。つまり運命を作り出したのが彼女。
地の龍の夢見と丁がよく会っているのは、その辺に事情があるのかもしれません。

丁の妹が退場するフラグのような気もします。
逃げてほしいところですが、間に合わないかもしれません。

確か空汰は、女性を守って倒れることになっていました。
彼が少年期を過ごした所で、そんな予言をもらったとか。

内容的に予言の通りなのですが、大怪我で済んでいます。
それどころか、惚れた女性と相思相愛の関係に発展していました。
本来の未来とは違っているみたいです。
運命が変わったのかもしれないなって思いました。

あの傷では戦うのは無理でしょう。
サポート役に徹するしかないです。

運命が大きく変わったのは、丁の方も同じです。
変化に気づけるとすれば、丁の妹しかいないです。
彼女が天の龍に味方するという、フラグのような気もします。

ラストが最も印象に残っています。
この作品に出てきた女性の中で最も美しいと感じた人が、あんな風になっていたので。
桜塚護を受け継がせるためとはいえ、悲しいなって思いました。

仕事についての話も衝撃的でした。
あの容姿で近づいてくれば、どんな人物だとしても油断します。
その隙を突いて終わらせるってやり方なのでしょう。
やっていることが凄まじいなって感じます。

桜塚護は昴流によって倒されました。
これは昴流が桜塚護を受け継ぐことを意味しているのではないかと。
意味深なシーンが多かったので、そんな展開が待っているように思えてならないです。

本編は最終決戦の様相を呈していました。
天の龍と地の龍を統べる者達が、それぞれ頂上決戦に挑んでいるといったところ。
勝った方が全てを得ることができる、そんな雰囲気もありました。
個人的には神威に勝ってほしいですが、難しい気がします。

丁が黒幕みたいになっていました。
空汰が追い詰めているって感じでした。
しかし物語が夢見の通りなら、倒すのは彼ではありません。
逆転される予感がします。

小鳥が見た未来については、見ていてしんみりとした気持ちになりました。
この子には何の罪もないです。
可哀想な設定だなって感じます。

おまけの方は、本編のシリアス度が消え失せていました。
レアな場面を見させてもらっている気分でした。
これはこれで面白いです。
こうなる可能性もあったのかもしれない、そう思いながら楽しませてもらいました。