新着レビュー

大正時代末期、大衆向けのカフェ「ロマンチカ」で女給として働く主人公のすずちゃん。
将来の夢は身寄りのない子供たちの為に無料の食堂を開くという清い心の持ち主ですが、
なにぶん不器用な為仕事で失敗ばかり。店主や他の女給からも疎まれる毎日です。
そんなある日、一人の美しい華族の青年がロマンチカを訪れ、
すずがその青年の相手をするのだが…

当時の身分、貧富の差が鮮明に描かれていて興味深い。
すずちゃんにはシンデレラのような人生を送ってもらいたい。

「長靴を履いた猫」という作品を見て英雄に憧れるようになったおはし。
家族が寝静まった真夜中に長靴を履いて傘を振り回していると、
その様子を子供に見られてしまう。
危うくおはしが化け猫だとバレてしまう展開になりかけましたが、
子供は寝ぼけていて幻覚を見たのだと認識している様で良かった。
しかし後半の展開はおはしが化け猫であるよりもある意味ホラー。
あんな大きなカエルがどうやって家の中に侵入したのか。
家族を守るためにカエルに立ち向かうおはしエライ。

おはしが食べられる草、ねこくさを用意するお母さん。
化け猫であるおはしに育て方を説明しようとするのだが、
おはしは園芸に全く興味が無い様子。
しかし子供たちに世話を任せると大変なことになる為、結局おはしが世話担当。
おはしが子供たちの事を全く信用していないところが笑えます。
おはしは化け猫ゆえ、ねこくさと会話が出来るようで、
それが原因でねこくさを食べられなくなってしまうところが面白かった。

師匠の師匠、つまり大師匠であるレイドに戦いを挑むエラ。
相棒のクルニが重傷を負ってしまい、怒りと共に魔力を解放するのだが、
レイドはエラの魔力を盾で吸い取り、そのままエラに跳ね返す。
エラの弓攻撃はコントロールが効かないため、レイドに通用しないのだが、
ある事を切っ掛けにエラは弓のコントロールを習得する。
その理由とはとても悲しいもので…
祖父ロジャンの想いを継いでエラが大師匠越えを果たすことができるのか。

地味眼鏡巨乳こそ至高だというのが、改めて証明されたと言えるかもしれない17巻でした。
バキバキシックスパック腹筋も決して悪くはないが、それを求めるのもまた同じ価値観を持つマッスル系統なメンズが多くなりそうだ。
程よい柔らかさ、無防備さ、自然な範囲のだらしなさ、抜け感、不摂生ではなくストイックでもないバランスから放たれる魅力こそ無理がない。

マッチョサイコとはまた毛色が違う恐怖感を与えてくるドSでドMなガリガリサイコ編は、ちょっと蛇足感が拭えないもののありっちゃあアリの展開か。
異常な奴らが次から次に吸い寄せられすぎな気もするが、サイコパスな血は受け継がれるのなら、類は友を呼ぶみたいな言葉は人間の本質をしっかり言い当てているのだろうと思う。

常に完璧を求める男、真壁完一の物語も今回で最終回。
起床してから通勤電車に乗るまでの真壁の一連の行動が描かれています。
目覚まし時計を5台用意して毎日一定の時間に起きたり、駅のホームで電車を待つときの並び方を決めているなど、
真壁の日常には一寸のズレも許されない。
傍から見れば凄くストレスが溜まりそうな生き方ですが、
完璧であることに至上の喜びを感じる真壁はストレスとは無縁。
今回で最終回ですが、真壁の完璧へのこだわりは永遠に続くのである。

主人公と一緒にいる魔王は、自身のことを西の大陸を管理する魔王と言っていました。
魔界の北、南、東にも魔王がいるそうです。
四天王みたいだなとか、全員が集まれば合体するのかなと思ったのは内緒です。

魔王を名前で呼ぶ人はいなかったです。
どんな名前なのでしょう?
思わせぶりな態度もちょっと気になります。

主人公はラストで人間界の人達について語っていました。
確かにその通りです。
魔界の人達の方が温かみがあります。
何となくですけど、魔界に永住することを選ぶフラグのような気がします。

ロクさんが言うには、一人前になるには仕事を教えないことらしいです。
昔の職人は新人が入ってきても、滅多なことでは仕事を教えなかったとか。
時代劇などで家を建築しているシーンを何度か見たことがあります。
彼が言うとおり、新人は他の職人のやることを見て学んでいるって感じでした。
見て技術を盗んで自分の物にすれば、その技術は一生使えるそうです。
時間がかかりそうなやり方だなと思いました。
上手くいけば大成功ですが、忍耐がないと務まらない気がします。

ロクさんは75才からパソコンを始めて、80才を過ぎた頃からは外国語を学んでいるみたいです。
画像付きだったので、説得力がありました。
私も彼と同じですごいと感じました。

印象に残ったのが見積もりの話をしているシーンです。
見積もりを数社に頼むと、当然ながら値段のばらつきが出てきます。
ここでは一番安い企業に依頼をするのではなく、そこより少し高めの企業に依頼をしていました。
80が65になったので、私もお得だなと思った訳です。
そうしたら追加費用を支払う羽目になるという、どんでん返しが待っていました。
実際に起こった話らしいです。
安さには何か裏がある、そんな風に考えてしまう話だなと思いました。