のらなめくじさんのレビュー一覧
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レビューというより、個人的な初見の読後感。
形式はポイント&クリックとビジュアルノベル。可愛らしい絵柄とサイケデリックな雰囲気のギャップ、世界観に準じたUIやサウンドの作り込みから非常に洗練された印象を受けた。正直、ツクールでここまで表現できるのかと驚かされた。
物語について、恥を忍んで言うと、よく理解できなかった部分が多い。
序盤は糸口を掴めず、置いていかれているような感覚すらあった。
しかし、本作の魅力はまさにその分かりにくさの中にあるのだと思う。
作者自ら「圧倒的不評」と記しているように、間違いなく人を選ぶ作品だ。短編ゆえに多くは語られず、物語の解釈もプレイヤーに大きく委ねられている。消化不良にも似た感覚を覚えた一方で、不思議と作品世界から離れ難くなった。
本作のメタ表現は単なる驚きや没入感のための仕掛けではなく、メタフィクションへの批評性を持っているように感じた。主観か客観か、フィクションなのか現実なのか。その境界は常に揺らぎ続け、曖昧さの中で我々自身の解釈によってゲームは完成する。
そして何より印象に残ったのは、逃避と憧憬の描き方だった。
登場人物たちは互いを見つめているようでいて、実際には相手そのものではなく、自分が求める逃げ道や憧れを見ているように思えた。強く惹かれ合いながらもどこか決定的にすれ違っている。その関係性は痛々しく、そしてひどく魅力的だった。
理解できたとは言い難い。それでもなお、作品を閉じた後も考え続けてしまう。逃避と憧憬、病的な関係性、それらのテーマに最後まで貫かれた作品だった。


