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目が覚めたら、身体が変わっていた——。
海洋調査船の甲板員・遠野漣は、航海中に突如として「男の身体に女性器が発現する」という原因不明の変異に襲われる。日に日に進行する身体の変化。制御できない発熱と体液。狭い船の上に逃げ場はなく、唯一頼れるのは船医・椎名要ただ一人だった。
触診という名の密室。ゴム手袋越しの指先に、いつしか医療行為では済まない熱が宿る。「素手で触れてくれ」——漣の懇願が、二人の境界線を溶かしていく。医者と患者、理性と欲望、男の矜持と変わりゆく身体への戸惑い。すべてが波に揺られる船室の中で、ひとつずつ剥がれ落ちていく。
粗野で不器用な漣と、寡黙で理知的な要。正反対の二人が、閉鎖空間という逃げ場のない状況で互いの本性を曝け出していくさまが圧巻。身体の変化に翻弄されながらも「男である自分」を手放せない漣の葛藤、そして冷静な仮面の下で静かに壊れていく要の激情——その二重の揺らぎが、読む者の胸を締めつける。
船上密室×船医攻め。後天的に両性を得た身体が繋ぐ、逃げられない愛の物語。甘さの奥に痛みがあり、痛みの奥に確かな体温がある。一度読み始めたら、この船からは降りられない。
文字数はハート、濁点など込みで約16995字ほど。
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