まずは何も考えずに体験版をDLし、製品版をカートにキープして、MVの再生ボタンを押してください。
自殺×隠キャといった乙女ゲームらしからぬ要素、フィクションではあるけれど現実に絶対にあり得ないとは言わせない妙なリアリティを孕んだ設定。その世界観に、私は性癖をぶち抜かれました。
先の読めないストーリーに、息をも吐かせぬ怒涛の展開。その中で絡み合い混ざり合い、たまにすれ違う思春期男女たち。20種ものマルチエンディグが用意された圧倒的ボリューム。文章の構成力も素晴らしく、言葉選びのセンスが抜群で小説のようにすんなり目に馴染み、心臓の柔らかい部分を的確に握り潰しに来るような幽玄な音楽が耳に馴染みます。キャラクターデザインも去る事ながら、飾り過ぎない美しさを秘めたような全体的なグラフィックのなにもかもが最高です。差分を含めないスチルが50枚以上も用意されているのも、乙女ゲームのなかではかなり破格のものだと思いました。システムとしてはごく普通のノベルゲームで、1回ポッキリの買い切り、チケット制なし、セーブ機能ありでサクサクストレスなく進められます。これ本当に1,100円でいいんですか?
ヒロイン(新堂林檎さん)の言動がオドオドとしていることや、ヒロインの視点で進んでいく情景描写の中で「糞」というような言葉遣いがなされることは、人によっては不快に感じるかもしれません。が、私はそのくらいしてくれたほうがずっと人間らしいと感じるし、芯が通っているところは通っていて、たまに開き直ったりしているところが可愛いと思えました。
ピアノが弾ける!料理が超上手い!といった、それらに知識のない・不得手な人には想像し難いような無理な設定もないので、自殺願望の有無はさて置いて、とことん感情移入しやすいのも特徴です。
とにかくまずは触れてみてください。話はそこからだ。