舉報鑒賞（資料輸入）

わりと広く音を拾ってくるタイプのマイクを、使っているような感じがする。あるいはマイクとの距離が、離れているのかもしれない。
このため、ボイスドラマのわりには、録音の音質はよくない。だが、音から、位置関係が推し量られ、空間感がある。声の位置が変化していることから、体を動かす行為をしていることが推測される。また、足が床を擦るような音がしている。おそらく膝で立っている格好で、姿勢を変えたのであろう。シャッというのは、カーテンを閉めた音であろうか。冒頭にいれてくるのは、うまいと思う。
このように、音から、動きが見える。まさに、体あたりな演技である。よそのボイスドラマでも、効果音がはいっているものはよくあるが、声とおなじくらいクリアだったり、音量がおなじだったりで、いかにもあとではめたような仕上がりになってしまうものが多い。今作品は、もしかしたら編集の妙技なのかもしれないが、仮にそうだとしても、ここまで表現できているのだから、嘘だ演技だといった謗りはしない。
また、フリートークで、これからの自らの行為をまえに恥じらっていた。それはあたりまえの反応であろうが、それゆえ、実際こういう人がいそうだと納得させるものになっている。過剰なキャラづけはなく、素直な自然体であることに好感がもてた。もう少し、話を聞いてみたいとさえ思わせた。現在いる部屋の状況とか、飾ってあるもの等の説明があれば、その人の人柄が、もっと深く理解されたであろう。