Danh sách đánh giá của ハナマルキ

前2作と併せて読みましたが、この作者様は奥行きのある世界観を描くことに成功している稀有な方だなと感じました。技術が高い商業作家の方でもよく見られるのですが、登場人物の思考やその背景に対する表現が薄っぺらいと狭い世界観になり、集中して読めないことがあります。この作者様の作品は日常から非日常に遷移していく中、登場人物が抱える背徳感と興奮を上手く表現出来ており、その世界観に容易にのめり込むことが出来ます。なかなかお目にかかれない高い質を誇る作品群なので、一気にファンになってしまいました。

丸呑みゲーム好きならこの作品を気に入る方は多いのではないでしょうか。
よくある丸呑みフェチのゲームは実質触手ものであったり、呑まれたらそれでおしまいで、中で暴れて抵抗するのが好きな自分には物足りたかったのですが、このゲームはそういった嗜好をお持ちであれば、楽しめると思います。少なくとも自分は満足できました。

同人ゲームで涙が出る程感動する作品なんてそうそう出会えませんが、この作品の2週目を完結した時、強いカタルシスと悔しさが混ぜこぜになって暫く呆然としておりました。
他の方も書かれてますが、主人公のリントは本当にいい子です。天真爛漫で疑うことを知らなくて、旅の道中でもその姿勢は一貫しています。天然故にドジを踏むことも多いですが、全て笑いに変えてくれます。
そんなリントだからこそ、最後の彼女の姿を見ていられませんでした。みるみる弱っていって、それでも最後に気丈な姿を見せて果てていく様が、余りにも哀れ過ぎて心が痛みました。
これ程強烈なカタルシスを感じさせてくれる作品は記憶にありません。作者様は本当にギャップの使い方が上手いです。

もし迷われている方がいらっしゃれば、是非プレイしていただきたいです。同人ゲームとしても、物語としても非常に優れた作品です。