文化祭や後夜祭を舞台にした作品ですが、本作の凪は人混みや騒がしさよりも、自室でゲームをしている方が落ち着くタイプの女の子です。
そんな凪の価値観にどこか共感しながら物語を聴いていました。
その凪を魅力的に感じられたのは、川村玲奈さんの演技によるところも大きかったです。
感情を大きく表に出すのではなく、嫉妬や不安、照れや喜びが少しずつ滲み出るような演技のおかげで、
本当にそこに凪という女の子がいるように感じられました。
耳かきや添い寝といったASMRらしいシチュエーションも、ただ癒やされるだけではなく、二人の距離が近づき、
凪が少しずつ心を開いていく過程として描かれているため、
耳元で囁かれる言葉一つひとつに特別な意味を感じられます。
特に心に残ったのは、終盤で凪が「ぐちゃぐちゃにしたい」と本音を漏らす場面です。
強い独占欲にも聞こえる言葉ですが、私には居場所を失いたくないという切実な想いの表れのように感じられました。
川村さんの繊細な演技も相まって、その少し重たい愛情表現が不思議と愛おしく感じられます。
青春の中心にいる人たちの物語ではなく、自分の居場所を見つけた少女の物語。
ASMR作品としての心地よさだけでなく、凪の成長と想いが強く心に残る作品でした。