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「避難性活-君と過ごす性の6日間-」 へのレビュー
2020年09月27日 失楽亭 さん
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主人公は所謂、田舎秀才で性格は内気であり、尚且つ傲慢でもある。やや変態気味な性癖もある。 東京の有名大学に合格し、大学院まで進学した頃が人生の絶頂期であった。 司法試験に何度も落第し、アルバイトさえ上手くいかず、文字通り都落ちした。元より故郷に愛着など無い。他に行く所がないから帰郷しただけである。 故郷で見かけた学生時代の初恋の女性とその娘。娘の方がヒロインである。 事故によって数日間の避難生活にして性活を送らざるを得なくなった。 これだけなら割と良く見かける設定の作品である。 しかし、この作品が特異なのは、主人公とヒロインの情交が単に快楽堕ちした所で終わるのではなく、正にその先を描いた点にある。 もう数日が過ぎ、体力気力が衰え、絶望しか残っていない中での何度目かの情交の中で、ヒロインは主人公との対面座位での接吻の時、舌を絡み合わせる。生命力が尽きかける時に御互いの舌の温かさを確かめ合い、唾液を混じり合わせる。この刹那、確かに単なる快楽堕ちではない、原初的とも言える男女の交わりが確かにあった。そして、それがまさしく刹那でしか無い事も、後には主人公の排泄行為に等しいヒロインに対する欲望の射出しか無かった事も描かれている。 主人公とヒロインのそれぞれの末路の描き方にも感心させられた。
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