げっと's Review List

まだちょこっとしか触っていませんが、初代A.I.Voice、またその前身となるVOICEROID2の頃から不満だった下記の点が解消されていて、より洗練され、とても使いやすくなっています。
・プロジェクトファイル保存が出来るようになった(初代A.I.Voiceでもできたが、使い勝手がイマイチだった
・調声結果をフレーズとして保存しなくてよくなった
・キャレットの位置から再生される問題が解消された

ただし、ボイスフュージョンには未対応です。(エディタは対応しているが、ライブラリが対応していない
特に琴葉茜は、他キャラを関西弁で喋らせることが出来るようになるという強烈な個性があるので、ボイスフュージョン目当ての方は初代A.I.Voiceの方も買いましょう。私はまだ持ってないけど…

ものべののヒロインの一人、ありすがようやくあやかし郷愁譚にやってきました。ものべのは断続的プレー中ですが、悪い意味で頭がまわる、要領が良い、気配り屋であり、かつ女子高生特有の圧も度々…といった特徴が見られる、良い子だなぁという印象を持っています(主人公から見たら年下なので、彼女は常にやや崩した敬語で話します)

さて、本編についてですが…「切ない」という事について私自身の認識とズレているような印象を感じました。「切ない」とは自分が相手を恋しく想ってて、ただそれが何らかの理由によって叶わないからこそ感じる感情だと思うのです。つまり別に想い人がいる主人公が、ありすとの事で切なく感じる事は無いのではないか?と思ってしまうのです。ありすが一方的に切ないだけだと思うのです。そしてそれがぽつぽつと吐露されて、なんだか申し訳ない気持ちになるか、それでも良き友人、尊い隣人として付き合ってくれてる事に感謝してるか…だと思います。ありすの心情を慮るとこころがしんどい。

余談ですが、スピンオフ元であるゲーム「ものべの」には彼女の個別エンドがあるそうですね。そちらルートのありすと、このあやかし郷愁譚(あやかしじゃないけど)でお会いしたいところです。(もしかしたら、茂伸に帰ってないのかも知れないけれど

通常、ASMR系の音声作品ってその音の距離感とか臨場感でくすぐったさを感じたり、癒しを感じたりするものが多いと思うんです。
でもこの作品の、少なくともTrack1にはそんなものがほとんどなく、「距離感を詰められながら尋問されてる」という感覚を与えるような作品になってます。そのため、ややマゾ寄りと言えるかも知れません。

ころなさん特有のゆーっくりとした話し方もあってなかなかどうして寝落ちやすいので、寝る前に聞くのにもgut。バイノーラル録音を特性を活かしたものが距離感の表現に留まっているのがやや寂しいですが、ころなさんが滅茶苦茶に愛してくれるので一度手にとってみてはいかがでしょう?

催眠音声作品で有名な誠樹ふぁんさんによる、催眠じゃないボイスドラマ作品。催眠じゃない、ハズですが、まるで催眠にかかっているかのように手放しでこのあまあまな声に、時間に、紡がれる言葉に、浸りたくなる作品になっています。
　みなさんも言っているように、冒頭からめちゃくちゃ褒められ、無条件に肯定されます。頑張ったね、お疲れ様。言われる度にまるで魔法にでもかけられたかのように、涙腺が刺激されたように感じました。どきどきするの?照れてるの?かわいい。言われる度に甘い気持ちになって逆に照れたのような声を聞いて…とただただ甘々と言葉を重ねていきます。
　キスパートでは唇と唇が触れ合う音がする度に、意識が沈んでいきます。激しさや淫靡さは全くなく、寝落ちながら聞くような音声であること、癒しがメインテーマであることの2点に強く合致する出来になっています。
　とにかくあまあまと、就寝前に癒しの時間を重ねていく。そんな作品になっています。自分を卑下するようなひねた態度を取りたがるような私や、なかなか素直になれない私にはてきめんでした。24分とやや短めではありますが、上記態度に心当たりのある方、若しくは自信が無くなって心が折れそうな方は一度聞いてみると幸せな時間に癒やされる事と思います。良い夢を。

いわゆる割とふっつーな耳かき/ささやき音声なのですが…聞き手の色んな反応を見たいがゆえにあれやこれや手を替え品を替え積極的に仕掛けて来ます。その裏には好意があることを意識してみると結構幸せになれるので、なされるままにされちゃってください。

キャラクターとしては「クール～ミステリアス系の、子供っぽいお姉さん」くらいな感じです。「夏」のイメージとは真逆ですが、「納涼」のイメージにはしっくりきます。扇風機にヤキモチやいて止めちゃったり不意に氷を頬張りだしたりとフリーダムなところがあり、聞けば聞くほど面白く感じてきます。奔放な振る舞いをする彼女に、なされるままにされちゃってください。

個人的なオススメポイントとして、Track3途中から首筋から囁かれ、背中にまでくすぐったさが伝播する感覚を楽しめる箇所があります。非常にユニークであり、評価を4→5に引き上げる程に楽しめたので、なされるままにされちゃいたい方は是非に。

あまあまな雰囲気、心音、雨音の三重奏で聞き手を癒やしてくれる作品になってて、買ってよかったと思います。

キャラクターとしては自分に自信がない…故に「ごめんなさい」「すみません」と繰り返すのですが、彼の事が非常に好きで、全幅の信頼を寄せているのが全編を通じて感じられます。しかも、途中でだんだんそんな自分を忘れたように積極的になったり、呼び方が変わったりしてニヤニヤが止まりません。全編を通してあまあまな雰囲気で、心を許してくれてることについ甘えたくなります。

心音が入ってくるのは途中からなのですが、最後の最後になるまで非常に控えめで「心音は聞こえるけどあれ?これ自分の心音かな?」と僅かながら勘違いします。
その勘違いからか、イヤホンをしている耳に血液がどくどくと流れ込んでくるのを感じてきて、やっぱり自分の心音も混じってそうな気がするくらい、ドキドキとさせられる作品です。

一方の雨音もしとしとと響き続け、意識を傾ければ自然の中にに溶け込むような落ち着いた気持ちになり、深く癒やされます。

3つとも「安心する」気持ちになるのは違いないのですが心を許してくれてる事がよく分かる言葉のやりとり、高揚する心音、淡々としてて落ち着ける雨音の3つを同時楽しめる贅沢な作品です。ボイスドラマを通じて癒やされてみたいと思われる方は是非に。