藤木さんに怯えているはずのヒロインが普通に熟睡し、キスされても気づかないとは……。
今までずっと電車だったから、通勤以外でのエンカウントはないものと思っていたのでしょうか。
彼が「今夜行く」と言ったからには、有言実行するに決まってるのに……。
……なんて、「今夜夢でも」というタイトルで察しがつくように、本作はぶっちゃけ夢オチなので、荒唐無稽は全て仕様。つっこむだけ野暮ってもんですね。
「いつもやってるみたいに」ってフェラをお願いされますが、そんなのしたことありましたっけ? ってなるのも夢だからでしょう、多分。笑
それでも「よかった……ベッドに潜り込んでくる藤木さんなんていなかったんだ……」と安堵できないのは、いずれ正夢にされそう、という確信に近い予感があるからでしょうね。
藤木さんがおかしいのはいつもなので、夢とか現実とか関係ない気もしますし。笑
本作の舞台は、「同棲するために借りた部屋」という設定。
前作の指輪プレゼントで婚約が成立したと思っている藤木さんなら当然の成り行きと考えるのでしょうが、夢とはいえ、相変わらず凄まじい過程のすっ飛ばしぶり。
ヒロインに「ごっくん」させるためなら精液まみれの口の中も貪り、彼女が潮を噴けば啜ったりと、変態行為の数々に躊躇なく及べてしまう藤木さんの生き様は、ある意味カッコイイ……のか?(錯乱)
防水仕様のベッドパッドを用意するなど、妙なところに気の回る有能さは、夢の世界でも健在。
こんな人から逃げきるとかムリゲーですし、ヒロインが幸せになるには、もう藤木さんの妄想を現実にしてしまうしかない気がしますが、彼を愛せるくらいなら苦労しないだろうし、結論なんて出ませんよね……。
(同棲する夢を見ちゃう辺り、気持ちが変化してきてるのかな? って気もしますが)
この物語の結末がはっきり描かれないのもわかる気がします。
答えは一人一人の心の中に……ってことでいいんじゃないでしょうか。