作品内容
この日の男鹿半島は絶好の釣り日和。杉村真のターゲットは、シーズンのウミタナゴ。
絶好のポイント……のはずが、1匹ヒットしたきり、まったくアタリがなくなった。
崖上に広がる牧場には牛が1頭も見当たらない。正午。そのとき大地が揺れた!!
長い長い揺れのあと、海面が2メートルは下がった。満潮は1時のはずなのに、潮がどんどん引いていく。
水平線に広がる白い線と押し寄せてくる轟音。その刹那、杉村の目の前に巨大な波の壁が立ちはだかった!!
1983年5月26日正午。日本海中部沖地震。
マグニチュード7.7、震度5。地震直後の大津波により104名もの尊い命が失われた。
その中には12名の釣り人がいた。この物語は、被害者の綿密な調査を通し、
釣り人であり漫画家の矢口高雄が、自然の厳しさと生命の尊さを真正面から描き出した鎮魂歌です。全4巻。