作品内容
奥羽山脈がそびえる東北地方の片隅に、その村はある。
人口はわずかに四十戸たらず、店は雑貨屋が一軒っきりで、鉄道もなく医者もいない。
おまけに冬になれば雪に閉ざされてしまう辺ぴな土地……。
しかし、ここは「おらが村」。代々営んできた暮らしがあり、深みのある人生がある。
都会人が忘れてしまった「故郷」の鼓動、そして生活……
矢口高雄先生が描くライフワーク的作品であり極上のヒューマン・ドラマシリーズ、ここに堂々の開幕!
村会議員・高山政太郎とその家族を中心にすえ、大小さまざまな事件がつづられる。
クマ撃ちの武勇伝や、キツネ憑き騒動、ハタハタ談義で解決するもめ事、等々。
それぞれの局面で政太郎はおうように構え、ときにはジッと沈黙して
「おらが村」の来し方行く末に思いをはせるのだった。全4巻。