Liste des critiques de 一陣の光

人前に出る事を何よりも苦手とする”美玲”が、
周りの人たちとの関わり合いの中で、少しづ
つ、変化してゆく姿を描いた”御影石材”先生、
表題作・第31話から第44話と、こぼれ話3本
を収録した、四巻目。
印象に残った収録作品は、転校してきて以来、
何かと衆目を集める”黒川美玲”に、『二つ名』
を早急に内々で決めておこう、と画策したも
のの、数多の生徒達から『二つ名』候補が多
数、提案されて乱立状態に・・・な、第33話
「二つ名会議と黒タイツ」。”美玲”も、自身
が、周りから慕われていることを再確認する、
お話でした。
読んでいて印象的だったのは、”雪菜”自身が
”美玲”をとても大切な人だと想っている事に
対して、如何にして向き合い、折り合いをつ
けてゆくのかを、丁寧に描いている点。本巻
で、明確な結論が示された、という訳ではあ
りませんが、その方向性は指示されたのかな、
という感想を持ちました。
『人との付き合い方』が隠しテーマの四巻目。

気配り上手で、ふんわり優しい先輩女性が上司
ならという、癒される作品の世界観にドップリ
浸れる”あきばるいき”先生、表題作の一巻目。
印象的なのは、ノルマの厳しい不動産会社に入
社した、社会人一年生の”高瀬初”が、つかみど
ころのない営業課男性課長や、営業成績上位で
先輩営業ウーマン”野見山凛子”に、厳しくも温
かい指導を受けながら、営業事務の”駒井紗和”
の気配りに癒される点。業界モノ作品のような
職域の詳細な描写を、あえて、盛り込まず、営
業課内のムードメーカーである”駒井紗和”が醸
し出す、ほわほわした作品内の空気感を楽しむ
という、し好となっていました。こんな会社が
あったらいいな、と感じさせる表題作の一巻目。

後輩君想いの部長で先輩女子、その友人で
引っ掻き回すけど、後輩君の事をよく見て
いる先輩女子、素直になれない後輩君の実
妹。そんな女子三人に翻弄されつつ、充実
した部活動を楽しんでいる後輩君を描いた
”おにお”先生、表題作・第10話から最終話
(第17話)に番外編1と2、あとがきが収めら
れた二巻目(最終巻)。
印象に残った収録作品は、”ぶんちゃん”が
”和月先輩”に選んだ水着。結局、彼女には
サイズが合わず、購入したのは・・・・な、
「第14話 水着をさがそう」。同級生かつ
幼馴染な”塚田”、”岡本”、”真田”のうちで
”岡本”が実は・・・だったという、意表を
突かれた、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、メインで作
品をけん引する”ぶんちゃん”、”和月先輩”、
”小野寺ちゃん”三人のバランスの良さ。様
々な、お話を構築できそうな、三人の設定
の妙味が記憶に残りました。
大団円を迎えた、表題作の二巻目・最終巻。

相手に気遣いできる強面主人公君と、仕事一途
ゆえ恋愛方面に疎い地味なヒロインとの、友達
以上で恋人未満な関係を描く、”九重ヤエ”先生
表題作・第1話から第10話と番外編、電子限定
描き下ろしの小篇を収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、フラワーショップを
経営する”花咲サチ”は、十年前、”森田啓吾”と
ある約束をする。そして時がたち、再開を果た
した”啓吾”は、コワモテな男子に成長していて
・・・な、「第1話」。
読んでいて印象的だったのは、幼い時の想いを
大切にしてきた”森田啓吾”。生来、持っている
内面の優しさを、上手く表現できない”啓吾”が
”花咲サチ”、”御守あずさ”という二人の女性を
惹きつけているのかな、という感想を持ちまし
た。年上ながら、恋愛沙汰に疎い”花咲サチ”を
上手くエスコート出来るのか?が気になる一冊。

急転直下、慎ましい生活をする事になった
男性と、何の因果か、その彼と関わり合う
事になったヒロインを描いた”田中無人島”
先生、表題作・1話～4話を収録した、一
巻目。
印象に残った収録作品は、母親との生活費
捻出の為、ヒロイン”植田麦”と同じ飲食店
にバイトすることになる”白鳥要”・・・な、
「3話」。
読んでいて感じたのは、”白鳥要”の気骨あ
る、その性格。生活の根幹ともいえる家庭
環境が瓦解し、周りには秘密にしながらも、
バイトに勤しんだりする、彼の姿勢と整然
とした性格は、読み手に好印象を与える事
に成功している、と思いました。何気にヒ
ロイン”植田麦”も苦労人な表題作の一巻目。

本来、嚙み合わない会話が、何故か成立している
ことで本作品ならでは、の、濃厚な旨味が醸し出
す”柚木涼太”先生、表題作・第8話～第14話、番
外編を収録した、二巻目。
印象に残った収録作品は、”小恋”から『ドキドキ
するトコロどこかおしえて』と聞かれ、真顔で性
感帯を答える”山田みのり”・・・な、第12話「や
まいは恋から」。
読んでいて感じたのは、発言している”小恋”本人
と、それを聞いている”山田みのり”との間にある
齟齬が、濃厚な旨味を提供している点。”小恋”が
無邪気に反応すればするほど、濃密になる旨味が
良いです。絵柄と内容のギャップが楽しい二巻目。

収まるところに納まった感のある、大団円
な結末を迎えた”小野中彰大”先生の表題作、
第33話～第38話(最終話)を収録した、六巻
目。
印象に残った収録作品は、”チヒロ”の告白
を受け入れた”クミカ”が、不慮のケガをし
た”チヒロ”へ、作った食べ物は・・・・な、
第38話(最終話)「一番大好きな」。
読んでいて感じたのは、永遠に続いてゆき
そうな作品世界。あとがきに”小野中彰大”
先生も書かれていましたが、一旦、ここで
〆させて頂きます、的な大団円がこの作品
らしくて好印象でした。
綺麗にまとまった、最終巻らしい、六巻目。

ストーリー・構成を創作する上で、幼馴染
という設定は、細かなニュアンスを改めて
描くことなく、ヒロイン・主人公の繋がり
を提示する事が出来、作者として利便性の
高い関係性と言えます。”渡井亘”先生の本
作ではあえて、恋愛関係へは行かない、と
宣言。その縛りの中で、原点回帰的な構成
をもって攻める、という描き方を試みてい
ます。
”真田 辰季(たつき)””後鳥羽 空良(そら)”
の二人を中心に、個性な登場人物を配した
アバンギャルド・四コマ。原点回帰の一冊。

オーソドックス、かつ地味な事務服の女性を
描かせたら、一番上手い、と個人的に思って
いる”あきなお”先生、雑誌”ビタマン”へ2011
年から2018年にかけて掲載された短篇八本が
収められた、単行本。
印象に残った収録作品は、残業の息抜きをし
ていたメガネの女性”主任”と”西谷”君。以前
から”主任”の太ももに触れてみたい、と思っ
ていた”西谷”君。彼女へお願いを・・・・な、
短篇「主任のふともも」。彼の脚フェチぶり
がインパクト抜群な、お話でした。
読んでいて感じたのは、”あきなお”先生の執
筆スタイルを確立した感、のある、構成力。
特に本巻は、雑誌掲載・初出から最大で七年
の間隔があるのですが、みじんも感じさせな
い、安定感がありました。安心・安全の一冊。

”桐原小鳥”先生の十八番『いきなり・同居』で、
本作は、その存在すら知らなかった、年の離れ
た兄・妹が・・・な、表題作の一巻目。
読んでいて感じたのは、周りのみんなに愛され
ている”飴ノ森 心(こころ)”の存在。かなりし
っかりしているようにみえますが、大きく抜け
ているところもあり、”飴ノ森 悟(さとし)”も、
彼女を突き放しているように見えて、兄として
しっかり支えているのが好印象でした。
愛されキャラな”心”が、かなり気になる一巻目。