Liste der Rezensionen von 一陣の光

商店街の中にある、小さなスナックを舞台に
ひとクセもふたクセもあるスナックの常連さ
んや、超現実主義の”乃里”ちゃんなどなどの
面々がワイワイしている表題作・四コマを収
録した、”松田円”先生の単行本。
印象に残った収録作品は、”スナックあけみ”
を切り盛りしている”あけみ”さん。銀行に行
って、お酒の発注、お料理の仕込みで体力が
消耗して・・・・な、「ヒートダウンあけみ」。
仕事がら、暗いとこにいる”あけみ”さんには
心底つらい、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、超現実主義な
”乃里”。社会の『裏・表』を、キッチリ理解
している発言から、作品世界をきりっと引き
締めるキャラとして存在感がありました。
個人的に、仕事終わり、”あけみ”ママ目当て
に、お店へと通いたい、と思える一冊でした。

女性の腋(わき)に対する、コダワリと情熱が、
男性主人公の生きる縁(よすが)となっている、
”緋月あきら”先生、表題作・欲望1～欲望6を
収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、主人公”高井司”は、
女性の腋に人一倍、強いコダワリを持ってい
る変態紳士。ある時、”悪魔・ローゼリア”を
何故か、召喚し・・・な、「欲望1」。
読んでいて印象的だったのは、実家が定食屋
で、隣に住んでる”高井司”へ、食事を提供し
ている”羽澄千佳”。”司”の欲望を具現化する
対象としてだけではなく、フェティシズムの
『沼』にドップリ浸かりかねない作品世界を、
日常へと引き戻す役割も担っている、と、読
んでいて感じました。”司”に対して、なんだ
かんだ言って”ローゼリア”も”千佳”も、素直
に従うのがイイね、と思えた表題作の一巻目。

柔道着を着ると豹変、やたら強かったり、
授業中の姿からは想像出来ない、天然で
ポンコツな素顔が”コア助”先生ならでは、
な、キャラクターデザインとマッチした
表題作・一滴目～七滴目までを収録した
自身、初連載な一巻目。
印象に残った収録作品は、不可抗力から
タイムスリップした、実は三十路で童貞
な主人公”宇都宮”。学生生活を再び経験
する中で、憧れていた女教師”設楽”先生
への想いを改めて、再認識する”宇都宮”
を描いた「一滴目・時をかける童貞」。
読んでいて感じたのは、女教師としての
凛々しい姿と、天然でポンコツな素顔と
の落差。”コア助”先生の絵柄から、ほの
かに滲み出ているコミカルなテイストが、
その落差を強調させていました。”設楽”
先生の、天然な魅力がたまらない一巻目。

刺激的なことや大事件はおきないけれど、
ゆっくりと流れる、時間を丁寧に描いた
”沼ちよ子”先生、表題作・第1話～第10
話までを収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、クラスメート
の”かなこ”と”みよし”の三人で、田植え
に精を出す主人公・”照井えみ”・・・な、
第4話「田んぼで青春」。作業終わりに
三人でほおばっている『おにぎり』がと
ても美味しそうな、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、ゆっくり
と流れる時間を芳醇に表現した、その豊
かさ。『秋田・あるある』な小ネタを挟
みつつ、積み重ねる様な丁寧な描写から
ほっこりさせてもらえました。
ゆったりとした読み心地、表題作一巻目。

人前に出る事を何よりも苦手とする”美玲”が、
周りの人たちとの関わり合いの中で、少しづ
つ、変化してゆく姿を描いた”御影石材”先生、
表題作・第31話から第44話と、こぼれ話3本
を収録した、四巻目。
印象に残った収録作品は、転校してきて以来、
何かと衆目を集める”黒川美玲”に、『二つ名』
を早急に内々で決めておこう、と画策したも
のの、数多の生徒達から『二つ名』候補が多
数、提案されて乱立状態に・・・な、第33話
「二つ名会議と黒タイツ」。”美玲”も、自身
が、周りから慕われていることを再確認する、
お話でした。
読んでいて印象的だったのは、”雪菜”自身が
”美玲”をとても大切な人だと想っている事に
対して、如何にして向き合い、折り合いをつ
けてゆくのかを、丁寧に描いている点。本巻
で、明確な結論が示された、という訳ではあ
りませんが、その方向性は指示されたのかな、
という感想を持ちました。
『人との付き合い方』が隠しテーマの四巻目。

気配り上手で、ふんわり優しい先輩女性が上司
ならという、癒される作品の世界観にドップリ
浸れる”あきばるいき”先生、表題作の一巻目。
印象的なのは、ノルマの厳しい不動産会社に入
社した、社会人一年生の”高瀬初”が、つかみど
ころのない営業課男性課長や、営業成績上位で
先輩営業ウーマン”野見山凛子”に、厳しくも温
かい指導を受けながら、営業事務の”駒井紗和”
の気配りに癒される点。業界モノ作品のような
職域の詳細な描写を、あえて、盛り込まず、営
業課内のムードメーカーである”駒井紗和”が醸
し出す、ほわほわした作品内の空気感を楽しむ
という、し好となっていました。こんな会社が
あったらいいな、と感じさせる表題作の一巻目。

後輩君想いの部長で先輩女子、その友人で
引っ掻き回すけど、後輩君の事をよく見て
いる先輩女子、素直になれない後輩君の実
妹。そんな女子三人に翻弄されつつ、充実
した部活動を楽しんでいる後輩君を描いた
”おにお”先生、表題作・第10話から最終話
(第17話)に番外編1と2、あとがきが収めら
れた二巻目(最終巻)。
印象に残った収録作品は、”ぶんちゃん”が
”和月先輩”に選んだ水着。結局、彼女には
サイズが合わず、購入したのは・・・・な、
「第14話 水着をさがそう」。同級生かつ
幼馴染な”塚田”、”岡本”、”真田”のうちで
”岡本”が実は・・・だったという、意表を
突かれた、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、メインで作
品をけん引する”ぶんちゃん”、”和月先輩”、
”小野寺ちゃん”三人のバランスの良さ。様
々な、お話を構築できそうな、三人の設定
の妙味が記憶に残りました。
大団円を迎えた、表題作の二巻目・最終巻。

相手に気遣いできる強面主人公君と、仕事一途
ゆえ恋愛方面に疎い地味なヒロインとの、友達
以上で恋人未満な関係を描く、”九重ヤエ”先生
表題作・第1話から第10話と番外編、電子限定
描き下ろしの小篇を収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、フラワーショップを
経営する”花咲サチ”は、十年前、”森田啓吾”と
ある約束をする。そして時がたち、再開を果た
した”啓吾”は、コワモテな男子に成長していて
・・・な、「第1話」。
読んでいて印象的だったのは、幼い時の想いを
大切にしてきた”森田啓吾”。生来、持っている
内面の優しさを、上手く表現できない”啓吾”が
”花咲サチ”、”御守あずさ”という二人の女性を
惹きつけているのかな、という感想を持ちまし
た。年上ながら、恋愛沙汰に疎い”花咲サチ”を
上手くエスコート出来るのか?が気になる一冊。

ヒロインの文野さんと男性上司”牧田主任”との
文具を通じた関係を軸に、社内の人間関係を開
放的に描く”榎本あかまる”先生、表題作・23個
目から33個目を収録した、三巻目。
印象に残った収録作品は、”神田社長”に見初め
られ、社内プロジェクトへ参加することになっ
た”文野さん”。良いアイデアが生まれず、煮詰
まってしまったプロジェクトの空気を変えたの
は・・・な、「31個目 ウキウキマーカー」。
”文野さん”ロス状態な”牧田主任”が、彼女に送
った”ウキウキマーカー”から、背中を押される
”文野さん”を描いた、お話でした。
読んでいて感じたのは、社内での人間関係を経
て、少しずつ心を開いてゆく”文野さん”を描い
ている点。特に”牧田主任”への応対に変化が生
じていて、それが、本巻の見どころになってい
る、という感想を持ちました。
文具愛あふれる、”榎本あかまる”先生の三巻目。

急転直下、慎ましい生活をする事になった
男性と、何の因果か、その彼と関わり合う
事になったヒロインを描いた”田中無人島”
先生、表題作・1話～4話を収録した、一
巻目。
印象に残った収録作品は、母親との生活費
捻出の為、ヒロイン”植田麦”と同じ飲食店
にバイトすることになる”白鳥要”・・・な、
「3話」。
読んでいて感じたのは、”白鳥要”の気骨あ
る、その性格。生活の根幹ともいえる家庭
環境が瓦解し、周りには秘密にしながらも、
バイトに勤しんだりする、彼の姿勢と整然
とした性格は、読み手に好印象を与える事
に成功している、と思いました。何気にヒ
ロイン”植田麦”も苦労人な表題作の一巻目。