奈良ラーメンは白菜入りさんのレビュー一覧

謎の猫?の第二作。公園で本を読む少年と彼に構う猫のような少女(或いは、少女のような猫)。猫は彼に名前を付けてもらおうとしたが、その彼にやる気がない。しかも彼女も彼女で単に構ってもらいたかっただけのような気が。そして命名の行方は・・・?
彼女は猫なので相変わらず気まぐれ。辞書を渡しても辞書としては使わない。本当に自由だ。ただ、猫はドングリ食べないと思うぞ。せめて川に入って鮒でも取ってきて(笑)。
背景を手描きで描いている特徴があり、結構手が込んでいると感心してしまう。

複数のイラストレイターによるイラスト集。特にテーマなどはなく、各作家の描きたいものを描いたといった塩梅。「微エロ」とうたっているように露出は少なめ。中にはエロ要素が一切ないものまでも。
中でも気に入ったのはカボチャとたぬきの絵。エロ要素は全くなかったが、その代わりに楽しそうだったので。人魚の絵も割と好きですね。

ひと夏を人魚になって過ごした女子高生のお話。それだけなら類似の作品は世にいくらでもあるだろう。この作品の特徴は「浪漫やファンタジーとは無縁」なところ。
人魚になるための方法は魔法ではなく科学技術や医学を駆使して(機械での外科手術。また人間に戻れるようにもしている)。海や湖、河川を遊泳することもなく屋内プールで映画やゲームを楽しむ。内容についてあまり細かく述べるべきではないのでこの辺りにしておくが、発想のユニークさがよかった。
「夏を避暑地で過ごせばいいのでは」とも思うのだが、少し考えた。多分作中世界では奈々ちゃんの発想の方が安上りなのだろう、きっとそうだ(笑)。

公園のベンチで読書に勤しむ少年と、彼に話しかけてきた頭に猫の耳が生えている?少女とのなんとなくのやりとり。全体に”ゆるい”雰囲気の漫画。
無料サンプルにもある通り、少年は彼女を猫扱いしている。ハンバーガーチェーン店でのやりとりは別に意地悪をしているわけではない(読めばわかる)。そしてそれを彼女も特に抵抗もなく受け入れている。
彼女も行動は利己的で、かつその場その時の気分に基づく。そう、まるで猫だ。現実でも猫に対して何かを求める人が極めて稀なように、彼も彼女に何か意味のあることを求めていない。漫画としては”雰囲気”を楽しむ作品だと考えている。そして”雰囲気”は決して悪くない。
絵についてだが(評者に評論能力があるかどうかはさておき)、一目見て「アナログだな」。線であったり(ボールペンで描いたような感じ)彼女の髪のスクリーントーン?だったりが妙にぎこちない一方でタイトル画などの背景描き込みがとても細かい(そしてそれがマイナスになっていない)。そのぎこちなさが作風によく合っている。背景を考えるなら彼女の髪はツヤベタでも良かった気がするが・・・。

ベテラン漫画家の猫島礼先生のご家族+愛猫のタイ王国滞在記。昔愛読していた漫画家が今でも活動しているのを知るのは何とも嬉しい。
海外で生活している漫画家・小説家etcは昨今珍しくないし、その滞在記(漫画イラスト活字問わず)もやはり珍しくない。この作品もその一つ(4コマ漫画形式で描写・表現されている)のだが、読むべき点としては犬猫を飼っている人向けの情報が有用なことかな。
詳細な内容は本書を読むべきなので書かないが、手続きがなかなか煩雑なようです。犬猫と海外で暮らすのは大変だ。その点でこの作品は有用です。
分量が少なめなのは承知で購読しているので気にはならないが、猫ちゃんの写真画像があると少し嬉しかったかも・・・。

世界のほとんどが海に沈んだ世界で暮らす、神奈川県西部(茅ヶ崎あたりか)の女子高生の物語・・・の、導入編。登校中の女の子たちがまぶしいが、それより印象に残ったのは町の公共交通の風景か。
神奈川で暮らしたことがないので(笑)モノレールや鉄道(路面電車かどうかはわからなかった)が妙に新鮮に映る。モノクロとはいえ細かく描き込まれた背景はとても記憶に残った。美少女が主人公だが、場所もやはり美しいのか。これからこの舞台で彼女たちは活躍するのだな。第一話の主な情報はこの世界とその設定の紹介。期待は膨らむ。「なぜ海沿いの湘南が沈まなかったのか」という疑問は目をつぶろう(苦笑)。

おにぎりやねこといったゆるい雰囲気ながら難易度はなかなか高く歯応えのあった(おにぎりなのに・・・)「わたしとわたしのねこ」シリーズのパイロット版。パイロット版だが結構難しくやりがいがあるのはうれしい。うかうかしてるとあっという間に終わってしまう、何度も失敗しながら攻略方法を身につけていくのはこの頃からだったのか。

主人公は二人。学校卒業とともに都会に出た男と、地元に残って結婚した女。それから10年経ち、男は地元に帰ってきた。そして二人は再会する。まだ三十路にも達していない、これから男盛り・女盛りを迎えるであろう二人。しかし二人ともどこか気分は晴れない・・・。
十代の終わりに道を違えた二人だが、実はお互いにとって大切な存在だった。男が修理しているモペット(大雑把に言うと原動機付の自転車)とそれにまつわる思い出が特にそうだった。モペットの修理と二人の心の距離、これらがどう進んでいくのか・・・。
物語は始まったばかりなのでまだ何とも言えないが、熟れつつある人妻と冴えない青年というカップルの組み合わせ。一見同学年に見えないほどのギャップを感じるのだが、それも今後に生きてくるはず。
単車好き向けの一般作なのであまり不倫とかは・・・なくてもいいです。

タイトルの通り、同人電子書籍販売の奮戦記。DLsiteにとっての強力な外資系ライバルおよび潜在能力的には最強の敵(笑)のこと、電子書籍での売り上げを伸ばすための苦労・努力が漫画になっている。これら媒体から電子書籍を出版したい方にはおすすめ(How toが書いてある)。
他には著者のなかせよしみ先生のここまでの道程が興味深かった。私的にはその書籍・漫画の売り上げを気にしないので(自分が満足できるかどうかが重要)、作家が満足するまで描く(書く)ことが可能な電子書籍は福音になるのでは・・・というのは素人考えだったようだ。作品内容に触れるが、思うようにはいかないとのこと。お気に入りの作家の公式サイト(ブログ含む)を月1～2くらいで閲覧に行く自分みたいなのは少数者なのだろうか。
しかし長い目で見るなら電子書籍が紙書籍に取って代わることは時間の問題だろう(かさばらないし実は廉価で出版もできる。また某大手出版社は電子媒体の売り上げが紙のそれを上回ったらしい)。この漫画は儲け重視の書き手よりも自己表現にこだわる方に読んでほしい。実は私的に電子書籍のアイデアがあるんですがね。

あまり音楽は聴かないのだが偶然に知ったのでこの機会に聴いてみた。いくつか気に入った歌を聴けたのでお買い得だった。それらについてレヴューする。
東京:歌詞も曲もポップな感じ。私的にとても耳に残ったのは時折入る鼓?の音。明らかに異質なので印象深いのだが、曲を壊しているわけでもない。微妙な?絶妙なバランス。
ワンダリングハート:前向きな内容の歌詞と、それを後押しするかのようなパワフルな曲調。それがとてもマッチしていた。なんでもできそうな気にさせるような曲。