作品内容
恥知らずな女だなって、軽蔑していたんでしょう。いつも短いスカートなんか穿いて――
澤田は、昔、河津温泉で二晩に七回も求め合った、会社の後輩で人妻だった倫子と、四ツ谷の小料理屋で逢っていた。
あの夜のことをお互いに思い出すと、どちらからともなく、寄り添い、唇が重なり……(「潔い不倫」)。
聡が書店で、ヌードグラビアのモザイクを指でこすっていると、中学時代の教育実習生、平井佳子が声をかけてきて……(「先生のお願い、聞いて」)。
書下ろし含む熟愛6編。再会を果たした男女に訪れる、珠玉の短編集!
末廣圭(すえひろ けい)
1940年、京都府生まれ。学業半ばより編集者に憧れ、約40年間雑誌畑を渡り歩く。
98年、男性総合月刊誌の編集長を辞任し、作家活動を開始。
セブ島に仕事部屋を構え、鮮烈で密度の濃い官能小説を次々と発表。
冴えた円熟の性愛に、多数の読者が魅入られている。