一陣の光的赏析一览

スランプっていろんなカタチで発露するんですね…
”comic快楽天”へ2020年から2022年に掲載された
前・後編構成の一作品と、短篇・十作品を収録した
自身六冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、男子主人公とヒロインは
幼馴染。彼女のいない男子主人公に対し、彼氏がい
るヒロインは、試験のたびに男子主人公から勉強を
教えてもらっていることを、彼氏に浮気と疑われて
……な、短篇「かわいいひと」。ヒロインとキスが
できて、目を潤ませる男子主人公が可愛い、お話で
した。
読んでいて感じたのは、繊細な描線の絵柄とオール
ドスクールな設定とのマッチングの良さ。前述した
「かわいい～」や、短篇「Over」でのスウィート
だけど甘すぎない流れは、”Hamao”先生ならでは。
唯一無二な世界観が味わえました。
今年に入って一時期、スランプから本巻単行本化の
作業時に、とある英断・決断をされた”Hamao”先
生。読者として、その判断は正しかった、と、謹ん
で支持します。
他にない読み心地が堪能できる自身六冊目の単行本。

前にも書きましたが梅雨は何処へ…”comic快楽天ビースト”2022年07月号。印象に残った掲載作品は、告白して付き合い始めても何か良く分からない理由でふられてしまうヒロインが来るモノは拒まずの精神で彼氏づくりをはげんでいたら…”長頼”先生、彼氏いない歴=年齢な女性教師のヒロインがマッチングアプリで知り合った男子主人公と初体験・処女喪失を果たしたが彼には秘密が…”こっぺ”先生、文化祭の前日に泊まり込みで準備をしていた同じクラスの男子主人公とヒロインが勢いで彼女の処女を奪う…”Pennel”先生などなど、改めてワニマガジン社・作家陣の層の厚さを実感する一冊。

”紅村かる”先生がNTRを表現するとこうなる…
同人誌向けとして発表していた中篇を、商業化
した単行本。
印象に残った収録作品は、ヒロイン二人のセッ
クスに対する捉え方・考え方を決定づけた、ふ
たりの初体験カラミと、男子主人公が去った後、
あらわれたモブ男子とのカラミ、それぞれを通
して描く「ぼくだけがセックスできない家・派」。
読んでいて印象的だったのは、三作品に別れた
中篇をどこから読み始めるか、によって微妙な
変化をみせる読み心地。前述の「～・派」から
読み始めると、ヒロイン二人の行動がわりあい
さもありなん、と、思える。男子主人公とのカ
ラミがないことで、NTRの重厚感を深めている
とも、軽減させているとも解釈でき、読み手に
あえて、ゆだねている様に読後、感じました。
”紅村かる”先生の初期作は純愛モノだったので、
NTRをより鬱な読み心地にするのも、技量とか
技術的にさほど難しくはない、と、思えるので
あえて寸止め的に展開し、作家としての矜持を
みせたのかな、と。少し異色なNTRの中篇です。

いきなり真夏日な今年の六月、梅雨は何処へ…”comic快楽天”2022年07月号。印象に残った掲載作品は、引っ越しの荷解きもそこそこにイチャっいてた男子主人公とヒロインのところへ親が入ってきて…”雛原えみ”先生、付き合い始めてひと月経ちヒロインの家に招かれた男子主人公の期待はいやがうえにも高まって…”桃月すず”先生、幼馴染な従兄の男子主人公に恋心を抱いていたヒロインが覚悟を決めて告白したら彼には既に彼女がいて…”亜美寿真”先生、赤点とっても気にしない男子主人公の勉強を先生から頼まれたヒロインがエッチの勉強も二人で…”昼寝”先生などなど、その世界観が堪能できる一冊。

オトコなら誰でも…ということではなくて
お相手男性を、キッチリと見極めてからの
積極アプローチに”ねこまたなおみ”先生の
お人柄を感じる”快楽天ビースト”へ20年か
ら21年にかけて掲載された短篇・八作品を
収録した単行本。
印象に残った収録作品は、男性主人公とは
バイト先で半年程、一緒に働いているヒロ
イン。クリスマスイブ、バイト上がりで男
性主人公の部屋へ訪れた彼女は、泊めても
らう代わりにエッチしよう、と、提案して
きて…な、短篇「ケーキのあとで」。彼が
『いいひと』であることを見極めた上での
提案なのが記憶に残る、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、ヒロインの
身持ちの固さ。前述した「ケーキ～」とか
巻頭を飾る短篇「真夏のシャワー」のヒロ
インも、女性に対して少し消極的な男性主
人公の人柄を見極めた上で行為へと誘って
いて、”ねこまたなおみ”先生のお人柄が感
じられました。
ひとたびセックスとなれば、大胆に、能動
的に行動するヒロインと男性主人公が記憶
に残る”ねこまたなおみ”先生の短篇作品集。

”comic快楽天ビースト”2022年06月号に於いて200号の達成、おめでとうございます。記念号ということで”kakao”先生の表紙・巻頭カラー短篇と大盤振る舞い。印象に残った掲載作品は、女医なヒロインが勤務する病院に昔付き合っていた男性主人公が骨折で入院してきて…”kakao”先生、紆余曲折を経て結婚四年目の夫婦が子宝に恵まれる様にセックス漬けな日々を過ごす…”ろんな”先生、デブに対する評価の低さを自覚した男性主人公が一念発起な自己改造をサポートしてくれるヒロインとお外でセックス・処女喪失…”タチロク”先生などなど、豪華な一冊。

”アスヒロ”先生・こだわりの『恥毛』が堪能できる
”コミックホットミルク”に掲載された、二話構成の
一作品と短篇七作品が収録した、自身五冊目の単行
本。
印象に残った収録作品は、共にメガネでオタク仲間
の男子主人公とヒロイン。誘われ、彼女の家に招か
れた男子主人公。セックスを意識しギクシャクする
のは男子主人公もヒロインも同様で………な、短篇
「ラブチャンスは突然に」。処女・童貞の初体験を
ドキドキ感と共に繊細に描写した、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、ド直球な恋愛感情を
ベースとした作劇と、オールドスクールな絵柄との
マッチングの良さ。既刊でも描き込みがあったアン
ダーヘア描写に”アスヒロ”先生のコダワリがさらに
盛り込まれ、『恥毛』が堪能できました。
ほのかにコミカルなテイストを忍ばせつつ、ド直球
な恋愛感情を爽やかに表現した、読後感の良い一冊。

ゴールデンウィークも残りわずか……”comic快楽天”2022年06月号。印象に残った掲載作品は、同窓会で再会した元カノなヒロインに付き合い始めたばかりの頃の感情を思い出して…”藤丸”先生、終電逃して始発待ちな後輩君と先輩さんなヒロインが彼の部屋で過ごすハートフルな時間…”Hamao”先生、河川敷に捨てられていたエロマンガを読みたい一心で奮闘する男性主人公…”ニコライの嫁”先生などなど、充実の一冊。

”comic快楽天ビースト”2022年05月号、今月のお題は『露出』。印象に残った掲載作品は、前回のお話でバイト先の先輩でかなり年上な男性主人公と初体験したヒロインが彼に誘われて…”イゲドアハ”先生、面接が上手くゆかずコンビニで立ち読みしていた男性主人公に背後から露出したヒロインが忍び寄る…”仲町まち”先生、下校中にリモコンスイッチを拾った男子主人公が何気にスイッチオンするとクラスメイトのヒロインが奇声を上げて反応し…”水上みずや”先生などなど、読後感の良い一冊。

インモラルな設定なのに不思議と爽やかな読後感
の”鉢本”先生、”コミックバベル”へ掲載された短
篇・九作品を収録した単行本。
印象に残った収録作品は、やんちゃなヒロインと
仲良くなったオタクな男子主人公。父子家庭から
自宅に帰るのがイヤで『住ませろ』と迫る彼女に
男子主人公が……な、短篇「ズッ友」。初体験後、
より関係が深くなる二人が微笑ましい、お話でし
た。
読んでいて感じたのは、インモラルな設定なのに
不思議と爽やかな読後感。本巻・巻頭を飾る短篇
「聡子と先生」では、女子生徒と男性教師という
関係性で展開するのに、少年誌的な絵柄の効果か、
陰鬱とした読み心地が巧みに回避されていて、印
象に残りました。
爽やかな読後感が記憶に残る”鉢本”先生の短篇集。