めいぱんさんのレビュー一覧
レビュアーランキング | - | (役に立った数:369件) |
---|---|---|
投稿数ランキング | - | (総レビュー数:220件) |
|
CGはまだまだ堅さが感じられる発展途上といったところ。ただ、作品的にはCGの美麗さを競うようなものではなく、必要十分に描かれているので特に不満は感じません。
ジャンル的には抜きゲーに当たるのでしょうが、学生である主人公をパパと呼ぶようなあざとさがあるにも関わらず、その実、明るく楽しいという雰囲気はほとんど皆無で、等身大の少女と身体込みの恋愛するという重みが描かれており、このジャンルにおいては異彩な雰囲気をまとっています。
義兄なのにパパと呼ばれてしまう出だしだっただけに、そうした物語運びに戸惑いも感じましたが、エンディングを見る頃にはそのぬるく濁った日常の積み重ねが利いてくるのでなるほどとも思いました。
内容が内容だけに見かけほど気軽な作品ではないですが、肌の温度と汗の湿り気を感じるようなエロティズムはエロゲーではなくまさにポルノ。これぞオトナのための作品と言っていいと思います。
|
パッと見、そのクセの強い絵柄は意外と抜きゲー向きな印象なのですが、いま一つ、頭部と身体のバランスが悪く、ポーズによってはロリっぽさが損なわれて見えるなど、絵的にはいま一歩という感じ。
ただ、お話自体はいい意味でヘンにひねらない素直な立ち上がりで、なかなか自然で雰囲気がよかったかと思います。
まだHの経験のない少女が期待と不安のあいだで、主人公と心と身体の距離を縮めていく過程が、過剰な萌えの排して描写され、自然体なリアルさが感じられました。本番も始めのころは少女がなかなか慣れず、それでも健気に何度も主人公と結びつこうとする過程など丁寧に描かれていて、かえって萌えるものがあります。特殊なプレイやシチュではなく、ごく普通の過程を積み上げることで少女に感情移入させ、結果的にHな気分にしてしまうのはなかなか見事です。
ただ、その辺りの雰囲気がよかった分、序盤、主人公がロリコンということを強調しすぎたのは、逆に違和感があって、もうちょっとヒロインの少女に対して、ナチュラルにはまってもよかったですね。
その一方で、二人の関係が深まると、余計な描写を入れることなくHイベントを繋げていくので、抜きゲーとしての素養もバッチリ。多少、野外プレイがあるものの、基本、部屋の中でHするのでHの幅は限られるにもかかわらず、重ねなどでバリエーションを増やさず、イベントごとにきちんと別CGを用意していているので、CGモードで見るとある意味圧巻。イベントごとの少女との丁寧に描かれたやり取りを思い出せば、本当に少女とのHな記念写真みたいで、どきどきしてしまいます。
話としては後味の悪くないホッとするだけの内容なのですが、ナチュラルに少女にはまっていける、見た目以上に深い抜きゲーになっていたと思います。
本作はひたすら○学生の妹が兄の子供を孕んでくれるというイラストストーリーの2本立てです。
もっとも、○学生であることは明言を避けられ、それとわかる表現にも乏しいので、そこが売りとして機能しているとは言いがたく、実際、そこは重要ではなかったりします。
そう、あくまで売りはボテ。いずれの話も妹視点で展開し、ひたすら妹が兄のために健気に孕んで幸せいっぱい、お腹もいっぱいの圧倒的なボテっぷりを披露してくれます。
そうした妹の尽くしぶり、加えて妹自身の愛があるから気持ちいいといわんばかりの、清清しささえ感じられるH大好きっぷりのおかげで、いずれの話でも肝心の兄が引きこもりだったり、両親がいなかったりとロクな環境じゃなかったりするのですが、お話そのものは悲愴な雰囲気をまるで感じさせません。妹のボテに集中しやすい安心仕様で、ダークな部分を求めてない方でも受け入れやすいかと思います。
妹が兄のために孕んでくれるという部分に特化した内容ですので、やや通好みの作品ですが、妹が兄のために年齢不相応にも孕み、ボテるというイラストは、そのアンバランスさもあいまって淫靡さと強烈なインパクトを醸し出しており、妹ボテに絞られるのであれば、コストパフォーマンスに優れた実用性の高い作品でしょう。
|
この作品、ここに至るまでに別の話(主人公は元男)があったことが前提になっているのですが、さくっと無視してください。特に支障はありません。本題は女装少年が現れてからになります。
さて、その本題ですが、妄想と前置きするだけあって、絵も話も特定個人(恐らく作者)の嗜好にとことんカスタマイズされたようなキワモノめいた内容なのですが、その分、妙な方向に“濃い”です。
基本、お姉様と女装少年がイチャイチャネトネト、Hなことに励む内容なのですが、これがなかなか頭が悪い(誉め言葉)。これは個人の妄想、だからなにしても通報されませんとばかりに衆人環視の中、明るく楽しくナチュラルに野外プレイにレッツ・トライ! この心地いいまでの能天気ぶりは、なまじ理性のタガがあるとなかなか書けるものではありません(やっぱり誉めてます)。おかげでまさに妄想、現実をどこか飛び越えた不思議なトリップ感が味わえます。
そのほか、化粧やレオタードにこだわってしまうところにも、一朝一夕には身につかないフェティッシュな部分がしっかり感じられ、この妄想がなかなか“本気”であることをうかがわせ、妙に引き込まれてしまいました。
絵も内容も、なんとなく女装物を求めてる人には着いて行きがたいのは確実です。ですが、このナチュラルさと本気っぷりはなかなか得がたいものがあるのではないでしょうか。普通じゃ満足できないけれど、無闇に過激でグロい女装物はちょっと……という人なら、この不思議なトリップ感に触れてみるのも一興かと思います。
男が女の子になってHな体験をしてしまう話は数あれど、これこそまさに、オタクのオタクによるオタクのためのTSものと言っていいのではないでしょうか?
女の子になってしまう主人公はオタクで、かつそんな彼をサポートする友達もオタクと、このゲームのターゲットになってる人のメンタリティや環境に比較的近いところで話が展開するので、女の子なってしまうという展開にもかかわらず、プレイしているときの違和感が少なく、感情移入度はなかなか高め。その一方で、オタク向けだからといって、テキストがヘンにはしゃぎすぎないのも取っ付きやすくいい感じです。
肝心の内容も、プレイヤーのかわいい少女になってみたいという欲求をストレートに満たしつつ、自分も周りもオタクゆえに、オタク好みの一般的ではないHなシチュを違和感なく体験できるのがなかなかGOOD。水着あり、メイドあり、コスプレあり、レズあり、レイプありと、この手のゲームで普通考えられるシチュを完全標準装備。
全体的なボリュームは大きくも小さくもない価格相応のものだと思われますが、一本道で話が進むおかげで、返って豊富なTSイベントを間断なく体験できる構造になっているので、体感的なボリュームはなかなか大きく、少女になってみたい人なら十分元がとれると思います。
女の子になってしまう奇病の治療のためにHしなくちゃいけなくなった主人公が、みんなにHしてもらうまでの悪戦苦闘(?)ぶりを描いた日記風ノベルです。
TSものとしてはよく見かける展開ですが、本作は設定的にまわりもそのことを理解してくれているので、あっさりと(もっとも本編では主人公はそこに至るまで悪戦苦闘するのですが)女の子としてHされてしまう環境にあり、その部分でのエロさはてんこ盛りです。
ただ、生命の危機が迫っているという状況で、なおかつ、稀とはいえ世間に認知された病気なので、主人公も自分の状況に言い訳や納得がしやすく、この手のジャンルの売りとも言える羞恥プレイ的な側面が弱いです。TS好きとしてはその辺で物足りなさを感じるかもしれません。
それでも、その後の治療行為であるはずのHにのめりこんでいく過程も十分描かれていますし、この手のジャンルとしてはCGも良質で、マンガのコマ割り的な見せ方により、主人公目線のモノローグとあわさって、1枚絵にはない説得力と臨場感がありシンクロ度はかなり高めです。
女の子になったどきどき感を味わうよりも、自分がしてる、されちゃってる感を味わい方向けの作品かと思います。
|
2008年01月11日
むかしむかしの大むかし、同名のアニメがありましたね。男性向け百合モノの古典としてさん然と輝く名作で、自分も大好きな作品です。
本作はキャラの名前やその関係、シチュのみを引用した作品で、内容的な連続性はありませんが、オリジナル同様、昨今目立つガールズラブ的な百合モノではない、ほほえましさよりエロティックが際立つ古式ゆかしいレズものよりな百合モノとなっています。
つまり行為そのものより、関係やシチュが魅せるエロティズムと申しましょうか。厳かな雰囲気にあるはずのミッション系女子校で少女が女同士の淫靡な関係にのめりこんでいく、その行く先で繰り広げられる思慕と嫉妬のやり取り……そのシチュや人間関係が見せる背徳感で感じさせくれる作品で、エロシーンに目が行ってしまうとそこがなかなかわかりにくく、テキストを読み、行間を読んで初めて心に届く百合モノかと思います。そうしたところも古式ゆかしいといえるかもしれません。
とはいうものの、バッドエンドはともかくとして、その他の結末への展開がいずれも性急、あるいは取ってつけたような設定を振り回しすぎて、前半のミッション系百合ものの重厚な雰囲気がなくなってしまっており、アンバランスな作品となってしまってるのも否定できません。
CGや前半の雰囲気がよかっただけに惜しい作品だったと思います。
|
2007年12月14日
一見、普通の女教師陵辱ものなのですが、ちょっと一筋縄ではいかない作品です。
まず目を惹くのが、なんと言ってもその美麗なCG。ふわふわっと身体の柔らかさが伝わってくるCGは完成度が高く一級品。これだけで、このソフトの値段分の価値があると言って過言ではないでしょう。
そして物語もありそうでなかなかないパターンで、意外性があるのがおもしろいところ。
この手の二人の女性をまとめてレイプするゲームでは、その二人が近親者だったり友人だったり教え子だったりして、親しかったりするのですが、このゲームでは同僚であっても、ぱっと見の親密度はマイナスから始まっており、ちょっと異色な雰囲気になっています。そのせいもあってか、レイプする側の存在感は希薄で、ふたりの女教師の存在感を圧倒的に感じました。
テキストそれ自体はひとつひとつのシーンを丁寧に描いており、CGや声優の良さもあって、総合点、ひとつのパッケージとしての完成度はかなり高く、ゲームそのものの印象は悪くはありません。
しかし、当初は犯さないという建前で始まる物語は、陵辱モノとしての陰惨さや執拗さに弱く、どのルートも案外あっさりとすとんと終わる傾向にあります。特異な人間関係が紡ぎ出す物語は、一見の価値があるものの、ボリュームや陵辱モノとしての陰惨さを求める人にはやや物足りなく感じるかもしれません。
特にモノローグで言及される涼子先生の公園でのレイプシーンや裏サイトでの活躍はちゃんと見てみたかったところです。
ツンとボケ、ふたりのタイプの違うお姉ちゃん(イトコ)から、Hな勉強とご褒美を受けてしまう一見定番スタイルの姉系エロゲーです。
ぱっと見の派手さやインパクトには欠くもの、この作品、丁寧かつ堅実であっても、決して安易な作りではありません。昨今の同人ソフトらしく、細かくしっかり動きますし、CGそのものも、なかなか上質で丁寧に描きこまれており、そうした演出に負けていません。
そして、この作品の一番の売りはなんといっても、天然姉とツン姉の互いに意識した関係がつむぎだすナチュラルな萌えストーリーではないでしょうか。このふたりの関係が実にテンポよく魅力的に描かれており、天然姉とツン姉が、ただHの選択肢や記号的キャラとして存在しているのでは味わえない、きちんと筋を通した姉ハーレムを体感できる作りになっています。
特にツン姉はピンだと反応が厳しくその硬さは鋼のようで、全くデレそうにないのですが、天然姉に嫉妬してHなご褒美しちゃうし、天然姉の指技に翻弄されて、主人公への本音を引き出されちゃっうしと、天然姉の見事なアシストで、恐ろしいほどふにゃふにゃなソフトクリームばりの甘いデレっぷりを見せ付けてくれます。こうしたツン姉と天然姉との化学反応のような展開ややりとりは微笑ましくもエッチで、この楽園が永遠に続いて欲しくもなります。
ただ、この種のエロゲーとしては、シナリオの構成がやや変則的で、天然姉が率先してHなことをし当初の展開をリードするものの、シナリオの核はツン姉であり、概ねツン姉寄りにシナリオが展開します。ですから、天然姉に期待しすぎると肩透かしを食らってしまうかもしれません。
ドラ○エの変化の杖って、TS好きにはなかなかおいしいアイテムで、女の子になってフィールドをうろうろするのが楽しかったという人も多かったのではないでしょうか? いっそ、永遠に女の子のままでもと考えたこともあったでしょう。でも、当たり前のことですが、永遠に女の子のままというのは大変なことです。それが襲い掛かられちゃうほど、美人ともなれば。
この作品はそれを形にしてくれた作品なのですが、そうした願望の発露だけにとどまっていません。
そしてこの作品、なんと言っても話が美しいのです。レイプ、男に戻れないという絶望、そして……という畳み掛けるようなうまい展開に、主人公の細やかな心の揺れ動きがていねいに描かれており、CGの柔らかい美麗さとあいまって、エロさと物悲しさが合わさった美しい物語に昇華されています。
だからこそ、その結末にはエロいだけじゃない、胸をわしづかみするような、「来る」ものがありました。
選択肢のない純粋な読み物で、なおかつ短めの小作品にも関わらず、なかなか濃い内容で、ぐいぐいと引き付けられます。
TS系作品としても、まさに一級品ではないでしょうか。