ホトギリスさんのレビュー一覧

単行本の発売順としては、「せめアネ」の次にあたる。単発ものを集めた「せめアネ」とは異なり、こっちは一冊丸ごと、表題の連作である。
「おねいちゃん」とあるが、実際に姉である。まだ年の近そうな女の子に手玉にとられてしまうのだが、お姉さんのほうも、まだ素直になれなかったりする初々しさがある。
脚がすらっと長いのは当然なのだが、胴もそれなりに長く書かれてあるところはいい。かなりの長身であろうことが見てとれる。

年上のおねえさんに、誘惑され、あれこれされてしまう話が多いというか大半である。
切れ長の目で、すらっとしたおねえさんが、いたずらっぽく責めてくれる系統としては、ドストライクにはまるであろう。
話がちょっとシンプルすぎるのが、難点といえば難点か。

「恥ずかしい」といいつつも、あそこまでノリノリでやってもらえるとは、想像していなかった。「気もちを高める準備」までしたというが、あそこまで真摯な態度でオナニーをしてくださったのには、あたまのさがる思いがした。

キスシーンに力をいれてあり、内容もソフトというか、惹かれ合った帰結としての行為として描かれるものが多かった。
DL 版で、カバーしたとか、カバーのうちへおりこむところなんかまで、再現してあるのはめずらしく、凝っている。

もとねたはよく知らなかったのだが、まったく関係なかった。
音声つきで、べつにリップシンクしているわけではないが、なんとなくキャラがしゃべっているような感覚がある。
一番よかった点は、基本、着衣ものであるところだった。カメラは顔にあるのだが、その奥のゆるい服のしたで、胸がふらふら揺れているところはすばらしい。

体験版からも見てとれるように、声の綺麗さではトップクラスにある。
フリートークは、なかなか構成力があった。自分を知ってもらいたいだけでなく、自分をアピールするのに長けており、プロ意識を感じる。
「オナニーしてください」では、個人的には、じわじわ盛りあがってくる感じとか、どこがどうなっているのかとかいう説明をしつつ進行してほしかったが、彼女は案外、いつもフルスロットルで始めてしまっては没頭してしまう子なのかもしれない。

一ことでいえば「ユルい」人なのだが、なんでも「いいよー」ですませてくれる、じつは慈悲深い人なのかもしれない。
紹介文中にもあるように、絵はよその人が書いてあって、「いいなり美人」としては、企画業務をおこなっている。絵の人のほうはパロディものばかりだが、こっちはキャラ立てから自分でつくったものである。
同人 CG といえばどこも売れ筋のパロディものが多くて、もとキャラに興味のない人にはさっぱりなのだが、こういうオリジナルもので勝負してくれるのはありがたい。

作品ジャンルに「巨乳/爆乳」とあって、パッケージ画像からもそのさまがわかるが、フリートークではそのすごさが詳しく聞ける。
巨乳話以外にも、フリートークはなかなかよかった。自分を偽ろうとしない、素直な人柄がうかがえる。

表題の連作「奥さんバレー」に加えて、読み切り×4からなる。ノンアダルトに分類されるエッチ漫画で、あんまりどぎつい内容が苦手な人には、こういうくらいのがいいかもしれない。
毎回違う女の子とえっちするのだが、「奥さん」というカテゴリー縛りがあるにもかかわらず、なかなか個性がばらけていてよい。くわえて、前田千石の得意とする年上、人妻ものなのだから、安心のできであった。やっぱり、ぽやっとした年上の人は、前田千石の独壇場だ。

もう4年近いまえに出版された号のDL再版だが、別段古くさいというようなことはない。
ダウンロード版のいいところは、カラーが映えるところで、ディスプレイで見られるのは、書籍にはない利点である。巻末には、表紙の半裸ウェイトレスの文字なし版が収録されていたり、カラー漫画も多かったりで、ダウンロード版での価値はある。
「三人娘でギュ!」がなかなかいやらしかった。