Liste der Rezensionen vonユーリー

体育祭回。前巻にて音の運動音痴っぷりが明かされたので不安でしたが、それを切っ掛けに話が動くというのが上手い。一緒に騎馬戦をすることになった学校イベントガチ勢も過去に悔いを残しており、そこに音の一生懸命さが噛み合うのが気持ちいい。クラスの盛り上がりに読んでいて嬉しくなる。菊乃もクラスに馴染みつつ、その菊乃と音の姉が鉢合わして続きが気になる。

苗字ではなく名前で呼ぶという目標に挑む話。夏休みなので学校に行かないから会えないので家へ遊びに行き、そこで菊乃の母も交えて遊ぶこととなり、苗字呼びだと紛らわしいから名前で呼ぼうとするという話の流れが非常に上手い。ここまで綺麗な流れを心の声を聞ける菊乃に止められるというのも良い。心の声が聞こえるという秘密を抱えている人間ならではの悩みが辛いものの、だからこそお互いが出会えて互いに救われている関係というのが素敵。

声を出せないという要素と、心の声が聞こえるという要素。この二つを合わせるとこんなに素敵な百合になるとは思わなかった。声を掛ける切っ掛けが心の声が気になるからというところが良いのですが、単に気になるからではなく人のことを悪く言わないという理由なのが好き。人を悪く言う心の声をたくさん聞いてきたからこそというのが上手い。サブキャラも含めてキャラが立っているのも良い。

玲奈のキャラが素晴らしい。星宮学園に馴染んでいるそれなりに普通の生徒かと思ったら、中身は相当に強い。前巻で洋子に所持金全て渡したのも凄かったが今巻も良かった。脱衣所で足ドンして「脱ぎなさいよ」が好き。この強引さが今の洋子に必要なのだろう。一泊した洋子が制服を着る際に長い髪を襟から出すシーンを見開きで描かれていて良い。一歩踏み出せた洋子に対して華はどうするのか期待と不安に溢れる。

みんなの王子様である事に迷いのある華、本当の自分を出せず学園に馴染み切れない洋子。不器用な二人が迷う中、星宮さんの件も重なって物語が動き出す。自分を隠してきた洋子が他所のクラスにまで押しかけて動くシーンは良かった。傷つくことになっても華と一緒にいることを選ぶ、自分にしかなれない弱さが輝かしい。洋子と華の制服、というか制服の髪の持ち主の話も良かった。

1巻とは打って変わって寮生がメイン。これぞ耽美と言わんばかりのお嬢様学校全開の空気。入浴後のお姉さまの髪を二人掛かりで整えるシーンを見開きで見せるのが特に良かった。
寮の話ということで星宮さんも関わりますが、相変わらず謎に包まれた存在。それでも片鱗は見られた。何かが壊れそうな雰囲気がひしひしと伝わる。
寮の地下にある伝統や冒頭の制服目線で1巻の出来事を見る話も良かった。

卒業する三年生の髪で作られた制服を着る伝統を持つ女子高が舞台。ロングヘアーだらけの登場人物で髪の描写も美しく、独特な雰囲気を持つ作品。
学校の雰囲気は絵に描いた様なお嬢様学校に近いがメインの二人は良くも悪くも俗っぽくて良いキャラしています。特に王子様的扱いをされているイケメン女子の裏側、そしてその秘密の姿を知る者という関係が良い。
メインの二人を主軸にしたオムニバス形式の様ですが、話自体に大きな動きは見られない中でも謎多き学園長の孫娘が特に気になる。

卒業後の話。春香と優は高校生時代と打って変わって優の方がSBSG(嫉妬深い専門学生)となっていたり進歩と成長が見られて満足。美月と里奈の二人がしっかり描かれていたのはちょっと意外だった。美月が大人の余裕を見せつつも里奈は相変わらずでうまく纏まった二人という印象。ゆずと楓の関係に変化が見られそうというのが一番良かった。読んでいて頬が自然と緩む。コトしずはほとんど出番がなかったのが残念。各キャラの自然な成長や変化が見られて満足な内容でした。

エッチした相手が別の女性と関係を持ち、その女性が更に別の女性と…と繋がっていくのが面白い。このまま一直線に進んでいくのかと思いきや途中で合流する展開にはドキドキした。こんな体目当ての爛れた関係の様でありながら、しっかり本命はいて、しかしそれ以外の人とは浮気ともまた違ったりと百合の持つ幅の広さを垣間見せられました。娘と友達がエッチしているのを目撃してしまった母親が、その友達とエッチして、さらに娘ともエッチする。この最後の二人の関係が強い。タイトルのたえちゃんとじみこさんが後半から出てこず、良いキャラしているのでこの二人の今後にも期待したい。

メインの二人の放置プレイが良かった。手と足を縛られて立ち上がれず、目隠しもされて状況が分からない不安。そんな中で自分を求めてくれていることに快感を覚えるところがポイント。その後の身体を触らずなぞるように撫で、足元で音を立てられて恐怖を感じるが、逃げたい気持ちとこの時間緒を終わらせたくないという気持ちの鬩ぎあい。プレイに込められた気持ちの表現が凄まじかった。