Nuove recensioni

本当の妻の心を持った初恋の人よりも、初恋の人の心を持った妻にべた惚れな浩之

そんな彼の姿にショックを受けた奈々は、かつて本当にお互い愛し合っていたときのことに思いを馳せます
どうやら彼とのすれ違いは、いつでもそばにいてほしい気持ちの裏返しだったようですが、どうやら彼女は、わがままを言って気を引く以上のことが出来ない女性だったようですね

彼女もまた、旦那を愛していたという事実に驚きましたが、とはいえ失ったのは自業自得なので、やっぱり可愛そうという感情にはなりませんね

貴司の突飛な行動は、「かつて妻を泣かせた初恋の男」への怒りと、その男と再会したことで変わってしまったように見えた、妻への焦燥感からのものでした
そりゃあ、中身が入れ替わっているとわからない彼からすれば、そう見えますよね…

浩之も浩之で、「美波によって変わった奈々」を見て、美波との初恋を過去のものだと実感したと言い、なんとも面白くも絶妙なすれ違いっぷりに唸ってしまいましたね

愛する妻である美波の初恋の人が、浩之であるとの確信を得た貴司は、カッとなったのか、彼に殴りかかってしまいます
本作の不憫キャラとしては美波に目が行きがちですが、ぶっちゃけ貴司も相当ですよね…

作中の視点では、「妻の初恋の男というだけで殴りだすやべーやつ」ですが、とはいえ、最愛の人=美波の心は、眼の前の浩之と携帯越しに談笑していたわけなので、読者視点では殴られるのもやむなしかなと思っちゃいますね(笑)

妻が起きるよりはやく朝食を用意するほど、家庭に目を向けるようになった浩之
あれほど毛嫌いしていた奈々の中身が、かつて愛した美波になったことで、完全にべた惚れ状態になったようですね

対する奈々は、美波のなにがそこまで浩之を変えたのかを考えてもんもんとしている反面、自身が大麻や酒に溺れることもなくなったことに驚いているようですね
貴司との生活で自分も変わったのだと実感した彼女は、どんな未来を選択するのでしょうか

マンションの騒音工事に関する会議の場で、美波の様子がおかしいと気づいた様子の、彼女の友人の真希
この辺はさすが、女性の友人の感の鋭さといったところでしょうか

そのことについて、共通の友人だったらしい美波の旦那である貴司に相談しますが、貴司は違和感を覚えつつも、あくまで美波を信じるというスタンスのようです

果たして、旦那たちが真実に気づく日は来るのでしょうか

クソすぎる毒父の不倫を指摘したことで、家族を壊してしまったと独白する美波でしたが、奈々は「そんなの浮気するほうが悪い」と一蹴
これには、奈々アンチの私としても、同意せざるを得ませんでしたね(笑)

そうして、元の姿に戻りたいと願った美波と奈々は、占い師の元を訪ねますが、彼いわく、「ふたりとも今のままが良いと思っている」んだとか
奈々はともかく、美波はどうだろうなぁと思っていると、どうやら美波も浩之に気持ちが傾いているようで…

それならあとはもうぶっちゃけ、美波の旦那である貴司が、今の奥さんが美波ではなく奈々で、その事実を全面的に受け入れられるかどうかですよね

自分をハメようとし、妻の心を壊さんとした浮気相手とその男に、まさに「鉄拳制裁」を加えた浩之
ぶっちゃけ、浩之の過失もデカいわけなので、半ば八つ当たりでもあると思いますが、人それぞれにケジメの付け方というものがあるのでしょう

対して、美波は自宅に尋ねてきた奈々に、自身が浮気で激しく狼狽した理由を打ち明けます
それはよりにもよって父親の浮気の話で…
美波をあれほど束縛して、好きだった先輩に金を渡して別れさせるような毒親が、更に不倫まで…
何なんだあいつはと、さすがに憤ってしまいましたね(笑)

美波が言ったフルーツが好きという言葉を思い出し、彼女のために買い物をするほど変わった浩之
そんな彼の姿をまざまざと見せつけられた奈々の心中は穏やかではなさそうですが、そんなの全部、自業自得なんですよね…

一方の美波は、浩之の浮気相手からの悪あがきの「旦那が浮気してるメール」で憔悴しきった様子
そのあまりにも痛々しい姿に、自分の行為がいかに彼女を傷つけていたかを思い知った浩之は、歪ながらも彼なりの「ケジメ」をつけにゆくのでした

奈々の姿と経済力と美波の内面を持つ女性に心惹かれたのか、離婚の予定を先延ばしにし、浮気も断った浩之

対する、本来の奥さんである奈々はというと、相変わらず旦那の優しさに甘えるばかりで、ご近所付き合いでも冷淡
こうやって、美波が築き上げてきた物をどんどん壊していくさまは、本当に最悪ですね

それでもなお、美波の姿をした奈々への無償の愛を捧げ続ける貴司の姿に、徐々に気持ちが穏やかになっていく奈々でしたが、こんな歪な関係がいつまで続くのでしょうか…

大学時代、かつて浩之が美波から離れたのは、彼女の毒親が金を払って別れさせたことが原因でした
本当にあの父親は、クズオブクズですね…

そして、そんな不幸を乗り越えて手に入れた貴司との愛のある生活も、今奈々に奪われようとしているなんて…
あまりにも不憫すぎる…

そんな、美波の美しい内面に触れた浩之は、これまで毛嫌いしていた奈々の姿の彼女と情熱的に交わります
愛されるのはいつだって美波のような女性ですが、そんなの当たり前ですよね